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東京都立高校・図書館、広がる民間委託で偽装請負疑惑…労働局が是正指導、報告書の全容

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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3.司書教諭へのヒアリング

――従事者とのミーティングの実施頻度は?

「業務委託者からの要望により互いの意見程度の認識でしていた。生徒指導は司書教諭が行うため、生徒とのやりとりの確認や図書館の利用マナーについて報告等があった。出席者は司書教諭と従事者の中で代表1人の2名。実施頻度は、行事前など多い時で1週間に1回、通常は月に1回程度で、時間は15分程度。長い時は1時間程度の時と記憶」

――議事録は?

「メモのみで作成していない。代表従事者が他の従事者との情報を共有するため作成したようだ。提出されていない」

――従事者のシフト表は?

「人が変わる事もあるため、担当が分かるように代表の従事者からもらっていた」

――その他に従事者との関わるのは?

「「図書館だより」作成を毎月依頼し、内容を確認。校内決裁をするため、細かい修正等を依頼」

――司書教諭の役割は?

「主に生徒指導や図書委員の活動、選書リストの確認等。選書リストは必要に応じて訂正等を依頼することもある」

4.労働局からの意見

・請負業務は、指揮命令が従事者と学校の間には発生せず、独立して業務を行っているものである。現状の委託内容や体制を確認する限り、請負業務が独立しているとはいえない。

・近年、偽装請負などの事例が増えており、需給調整事業部においては、委託と労働者派遣の切り分けがなされているかの確認・指導を行っている。

・例えば「図書だより」では、校内決裁により修正指示等をしており、発注者と受託者が連携している以上、独立した業務とはいえない。あくまでも業務責任者を通しての指揮・命令を行う必要がある。

・従事者とのミーティングについても、司書教諭と連携しており、議事録のような書類があると間接的な指示となっているととらえかねない。

・業務内容を変更できる権限がある者(業務責任者)が現場にいて、従事者への指揮・命令をとれる体制があれば、発注者との調整は可能である。

・本調査は是正指導であり、改善策等の提示を求めている。改善等が確認できない場合は行政指導となる場合もある。

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