安倍新内閣、経産相は「25歳以上は女じゃない」発言、法相は秘書暴行疑惑
ハラスメントといえば、「パワハラ議員の筆頭格」ともいわれている河井克行氏が法務大臣に就任なんて、「どんな冗談だ!」と腹が立ちました。河井大臣は、首相補佐官時代に秘書への暴行やパワハラ疑惑が報じられています。今後も、過去のパワハラが明るみに出るのではないでしょうか。
今回の内閣改造では13人が初入閣を果たしましたが、安倍首相の側近の起用が目立つため、秘書たちの間では「ご恩返し内閣」と命名されています。一方で、入閣報道があった三原じゅん子議員については「内閣に入らなくて本当によかった」という声が、与野党を問わず上がっていました。
パワハラ議員の音源が公開される深刻な事情
今となってはなつかしい「このハゲー!」など、最近は国会議員のハラスメント音源が公開されることが増えています。どうしても「言った」「言わない」の問題になるため、動かぬ証拠の録音は不可欠なのです。
秘書たちは、会議やレクチャーの場で使うため普段からICレコーダを持っていますし、今はスマートフォンでも録音できますから、その気になれば議員の発言を録音するのは簡単です。とはいえ、録音したとしても、その内容が公開されることはめったにありません。ためらうのは、やはり秘書としての立場があるからです。そのため、公開されるというのはよほどの事態なのだと考えてください。
つい最近も、上野宏史前厚生労働政務官の口利き疑惑をめぐって、秘書の録音が話題になりましたが、秘書仲間を通じて神澤も聞かせていただいたことがあります。秘書たちは、こういう情報交換もしているんですよ(笑)。当事者の秘書さんは相当悩みながらも、自分の保身のためもあって、不本意ながら上野議員の指示でそのような「仕事」をしていた、と言いたかったのだと思います。
本来なら、秘書が自分の親方の内情を外部に話すなんて言語道断ですが、そうしなければならないほど追い込まれていたのでしょう。秘書仲間として本当に同情します。上野氏や新潟の石崎徹衆議院議員のようなパワハラ議員は、本当にいなくなってほしいと思います。
いずれにしろ、大臣待機者が70人もいるのにこんな人事なのですから、自民党の人材不足は深刻です。こんなメンツでは、年内の総選挙も視野に入れて予定を組み直さないといけないかもしれません。しばらく、バタバタは続きそうです。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。