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第3弾の評価
得意のサプライズを用いてマイナス金利という第3の矢を放った以上、見合うだけの効果がなければ責任は免れないところだ。黒田日銀総裁の登場以来、最も好意的な動きを示した経済指標は日経平均株価だろう。2度の異次元緩和のたびに急激に上伸して、その後高値圏で推移している。過去2回の緩和以降の上昇率はそれぞれ3割に達する。平均株価の年間の上昇率(年間高値÷年間安値)は概ね2割から5割のゾーンに収まるため、なかなかの成果といえる。
それでは今回はどうか。1回目の異次元緩和決定後の上昇率を、マイナス金利の導入発表前日の終値に乗じると2万2323円になる。今後、日経平均株価がこの水準と同程度になるか上回るならば、第3弾も見事に的中との評価はできる。
しかし下回れば「空砲」になる。株価形成の基本になる国内企業の業績にピークアウト感が強まっているなかで、厳しいハードルになることは確かだろう。
(文=島野清志/評論家)
【異次元緩和と日経平均株価】
・第1回(13年4月4日)
4月3日終値1万2362円、緩和後1年以内高値:12月30日終値1万6291円、上昇率:31.8%
・第2回(14年10月31日)
10月30日終値1万5658円、緩和後1年以内高値:15年6月24日終値2万868円、上昇率:33.3%
・第3回(マイナス金利導入、15年1月29日)
1月28日終値1万7041円
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