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税制も大きく変化か
また、従来の「モノ」から「貨幣」へと扱いが変わることで、当然、税金関係も変化する。中野弁護士は、「具体的な法案の内容が決まっていないため影響は不明確です」としつつ、「税金関係は、特に大きな影響が予想される」と指摘する。
「仮想通貨の売買について、従来は消費税を加算しているケースが多かったのですが、『貨幣』となれば非課税とされる可能性が高くなります。欧州の司法裁判所でも、昨年ビットコインを『支払手段』と認定して、付加価値税(日本でいう消費税)を非課税とした判断がされています。また、仮想通貨が『貨幣』との位置づけが法律で決まれば、国税庁が所得税をはじめ仮想通貨取引から生じる各種税金の取り扱いについて整備することは確実です」(同)
仮想通貨は、Fintech(フィンテック=ITと金融を融合した技術革新)などと連動して漠然とした期待感が高まる一方、仕組みが複雑で一般人はおろか専門家でも正確には理解できないといっても過言ではないのが現状だ。今までは投機の選択肢としての要素が強かったが、「貨幣」と同じ扱いになれば、使用される場面にも広がりが見えてくるだろう。法規制の中身が具体的になることを通じて、安心して取引に仮想通貨が使える状況になることが期待される。
(文=Legal Edition)
【取材協力】
中野秀俊弁護士 IT・ウェブ企業専門
大学時代、システム開発・インターネット輸入事業を起業、経営を経験する。IT・インターネット企業からの相談を数多く受け、相談件数は500件以上。IT・法律・経営のすべてを熟知している数少ない弁護士である。著書に『ここをチェック! ネットビジネスで必ずモメる法律問題』(日本実業出版社)がある。
ホームページ http://it-bengosi.com/
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