健康やダイエットなど、さまざまな理由で会員が集まる「スポーツジム」。そこでは自主トレーニングのほか、インストラクターの指導のもとエアロビクスやヨガといったレッスンにも参加できる。人気インストラクターになると会員に整理券が配布されたり、芸能人から指名を受けたりする場合もある。
その一方では、「副業」で生活を支えるインストラクターも存在し、彼らの一部ではある「ネットワークビジネス」が流行しているという。
ネットワークビジネスはMLM(マルチレベルマーケティング)とも呼ばれ、自分で製品を愛用し、他者に勧めて買ってもらう「連鎖販売取引」のことである。日本では法律で禁止される「ねずみ講」や、これに類似した「マルチまがい商法」などと混同されやすいが、MLMは合法的なビジネス形式として認められている。
しかし、2011年に約4万7000人から約110億円を集めた巨大ねずみ講「年金たまご」の運営者が逮捕された事件もあったように、このようなビジネスに人々が抱く印象はネガティブなものだ。
では、なぜインストラクターたちはそのような副業を行っているのか。
都内のジムに通っていた20代女性Aさんは、ある女性インストラクターと仲良くなり、プライベートでも交流するようになったという。
「ある時『紹介したい人がいる』と言われ、知らない女性を連れてきました。キレイで愛想の良い方でしたが、その人も元インストラクターで現在はMLMの幹部だということでした。2人とも『N』というマルチの人間だったんです。2人から商品の良さなど説明を受けましたが、怖かったので帰りました。その後、彼女たちから連絡はありません。純粋に仲良くなれたと思っていたのに残念でした」(Aさん)
Aさんが勧誘された「N」は美容商品などを扱い、インターネットの口コミには商品自体は良いとの声もあるが、やはり勧誘に迷惑している人も少なくなかった。
平均年収は259万円
都内在住の30代女性Bさんも、同じように「N」会員の女性インストラクターと出会ったことがあるという。
「彼女はバイト仲間で、『フリーのインストラクターは掛け持ちしないと生活が厳しい』とのことでした。他にどんな仕事をしているのか尋ねたら『N』だと言い、別のインストラクターに誘われて始めたそうです」