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主眼は日本の内需拡大
財務省の半期為替報告書は、1988年の貿易競争力法に基づき作成されてきたという経緯がある。その当時、日本が要求されていたのは、不公正な為替の是正とともに内需拡大だ。今回の報告書のなかでも、日本に対する記述をみれば、金融政策だけでは成長するのは無理なので、弾力的な財政政策と野心的な構造改革が必要とされている。これは、きわめてまっとうな指摘である。
日本は今回為替監視国に指定されているが、それほど深刻に考えなくてもいいだろう。何より、アメリカの主眼は日本の内需拡大である。しかも、条件(1)と(2)はともに2015年の数字に基づいているが、(1)は686億ドル、(2)は3.3%だ。(1)については基準以下になるのは難しいが、(2)について3%以上となったのは10年以来であり、11~14年はそれぞれ2.2%、1.0%、0.9%。0.8%と3%未満だった。内需さえ伸ばせれば、対GDP比3%未満をクリアするのは難しくなく、指定国から外れるはずだ。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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