新型コロナウイルスの感染拡大を受け政府は緊急事態宣言を発出し、東京都は“3密”による感染の可能性が懸念される施設・業種に対し休業要請を行っているが、その東京都で休業要請対象であるキャバレーに現役の国会議員が通っていたことがわかった。
連日にわたり政府のコロナ対応を批判している野党だが、野党第一党・立憲民主党の高井崇志衆院議員が緊急事態宣言下の4月、新宿・歌舞伎町のキャバクラに通っていたと「文春オンライン」「デイリー新潮」は報じた。このキャバクラは事実上の風俗店で、高井議員は店内で接客する女性から身体的接触を伴う不適切なサービスを受けていたという。高井議員は「文春」「新潮」の取材に対して、当該店を利用した事実を認めている。
高井議員は2月、クラスター化が確認されたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への対応に政府が終われるなか、安倍晋三首相が連日夜の会食を行っていたとして、国会で「民間企業は飲み会を自粛している。首相の危機感のなさが国民を不安にしている」などと批判していた。また、自身のTwitter上でも以下のように政権批判を投稿していた。
<この期に及んでまだ「財政再建」を優先する財務省の言いなりになっている安倍政権と自民党。今お金をケチれば、感染が拡大し、その後の大不況を招き、かえって財政政権は遠のくことがなぜわからないのでしょうか>
<今回の補正予算のテレワーク助成金は9000万円→4.5億円に増やしただけ。あまりにもショボすぎる。火曜日の総務委員会では厳しく改善を迫りたい>
<何のための緊急事態宣言なのでしょうか?「休業要請」などしなくても既に多くの店は休業しているし、今後「休業要請」しても強制力も補償もないので、たいして変わらないでしょう>
典型的な“東大卒・官僚出身”政治家
全国紙記者は語る。
「国会やSNSでは“上から目線の政権批判”が目立ちますが、岡山の地元・選挙区では何度も落選して、そのたびに比例で復活したり、それすらできなかったり、市長選にも何度か出馬して落選したりと、選挙には弱い。地元でもあまり人望がない典型的な“東大卒・官僚出身”タイプの政治家ですね。
経歴をみると、総務省時代は大臣官房総務課行政改革担当係長や情報通信政策局放送政策課課長補佐などそれなりにいいキャリアを積んでおり、割と政治に近い仕事をするなかで政治の世界に興味を持ち始めたのでしょう。また、民主党、維新の党、立憲民主党と渡り歩き、その間に希望の党に公認申請したりと、選挙に弱いために党を渡り歩いており、一貫した信条を持っているようにはみえません」
コロナ感染者が拡大するなか、政府は医療体制や経済対策の拡充などに追われているようにみえるが、議員はキャバレーに通う余裕などあるのだろうか。
「国会では今、不要不急の委員会は事実上の休止状態なのに加え、自民党は所属議員に対して“地元入り”を自粛させたり、本会議に出席する議員数を減らすために交代制にして在宅勤務を取り入れたりしています。さらに夜の会合などもなくなり、平日の真昼間から自宅で暇を持て余している議員は多いです。議員が在宅勤務といわれても、やることはないですしね。厚労省でコロナ対策に関係する部署の職員たちが不眠不休状態で働いているのとは対照的です」(前出と別の全国紙記者)
野党は与党批判を繰り返す前に、自身の襟を正すべきといえるだろう。
(文=編集部)