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巨大な権限を持った規制改革会議
問題は、第25章第4条で「各締約国は、この目的のため、国内または中央の調整機関を設立し、及び維持することを検討すべきである」としていることである。外務省の見解では、この調整機関は日本では規制改革会議が該当するとしている。
結局、規制改革会議がTPP協定を受けて日本の規制措置の全面見直しを行い、規制の修正や簡素化・廃止を求めることになる。そして、さらに規制の整合性に関する小委員会とリンクして、国際機関化することになるのである。まさに、現行の同会議がTPP協定を受けて日本の規制緩和・撤廃に全面的にとりかかることになる。
規制改革会議は本年7月31日までの設置期限となっているが、6月2日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」において、「『規制改革に終わりはない。』との理念の下、現在の規制改革会議の設置期限(2016年7月末)以降も切れ目なく規制改革に取り組んでいく」としており、設置期限以降も同様の機関の存続を示唆しているのである。
TPP協定の内容は、いまだ国民には詳細が伝わっておらず、規制改革会議が日本の農業や経済社会に多大な影響を及ぼす事項を決定する機関に変貌するということが知られていないということは、大きな問題といえよう。
(文=小倉正行/フリーライター)
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