日銀の異次元金融緩和、行き詰まり鮮明…出口なき緩和拡大で未知の領域突入か
文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
これはひとつのシナリオにすぎず、金融政策の動向は日銀関係者などの発言を確認しながら考える必要がある。市場参加者の期待するように、金融政策の修正が進むかもしれない。
物価が下落するなかでも、日銀は17年度中の物価目標達成を据え置いた。目標達成のためには、より強力な政策が必要ではないか。金融政策が限界に直面するなか、さらなる対策は日本を出口なき金融緩和に踏み込ませるかもしれない。徐々に、わが国の経済政策が未知の領域に踏み込みつつあることは慎重に考えるべきだろう。
(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)