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菅vs.二階の対立
稲田朋美防衛大臣はヘリ投入作戦後の記者会見で、法的根拠を防衛省設置法第4条1項19号と説明した。しかし、「駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還」と書かれた条文に照らし合わせると、今回の決定があまりに強引であることは、弁護士資格を持つ稲田大臣自身が誰よりもわかっているはずだ。
この強引な手法の背景について、政治部記者は語る。
「自衛隊ヘリ投入作戦の背景には、菅義偉官房長官と二階俊博自民党幹事長の対立があります。これまで沖縄問題は菅長官が仕切ってきましたが、二階氏が幹事長就任早々に沖縄を訪問、翁長雄志知事と会談して県民との対話重視姿勢を打ち出すなど、政権中枢でのねじれが目立ってきている。つまり、二階幹事長の登場により、菅一強体制が揺らいできているのです。
これに焦った菅長官が、稲田防衛相に高江ヘリパッド建設を急がせたというのが、今回の真相です。辺野古埋め立て承認問題で、国が沖縄県を訴えた裁判の高裁判決が16日に出され、国が勝訴しました。当然、翁長知事は最高裁に上告するでしょうから、このドタバタの前に決着をつけたかったのでしょう」
日本中で学生運動の嵐が吹き荒れた安保闘争の時ですら、安倍晋三首相の祖父・岸信介首相は自衛隊を投入することはなかった。たとえ建築資材の搬入とはいえ、内政問題に自衛隊を投入したことは、自衛隊の最高指揮官である安倍首相が日本史に刻んだ汚点といえるだろう。
(文=編集部)
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