渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」
トランプの「外国排斥主義」が世界に蔓延…中国の発展で食糧・資源の世界的争奪戦勃発か
文=渡邉哲也/経済評論家
また、このような流れは政治的な不安定も招く。経済成長の夢を奪われた新興国と貧困化が進みつつある先進国の双方で、既存の政治への不満が渦巻いているのだ。これは「反グローバリズム」ともいえるが、アメリカでは大統領選で「民主社会主義者」を標榜するバーニー・サンダース氏が大躍進を果たし、ヨーロッパではイギリスが国民投票によってEU(ヨーロッパ連合)からの離脱を決めた。
筆者が何度も述べていることではあるが、「貧しい国が豊かになると戦争が起き、豊かな国が貧しくなると内乱が起きる」というのが世界の趨勢だ。世界的に見て「食糧や資源の限界=発展の限界」であり、「発展の限界=パイの奪い合い」となる。そして「パイの奪い合い=対立を生む」という構図になっているのである。
(文=渡邉哲也/経済評論家)