消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
ここで、トランプ氏が強い経済・通商・為替問題を持ち出して、日本側から妥協を引き出そうという戦略が透けて見えてくる。なぜならば、安保問題とは違って、経済通商問題はトランプ氏のお手の物だからだ。
また、差しの会談はトランプ氏の得意とするところだ。しかも、普通ならば絶対に成功しないだろう大きな取引を、ゴルフ場で実らせた経験があると豪語するくらい、トランプ氏にとって、ゴルフ外交は得意とすることだろう。
トランプ氏は前出の自伝のなかで、日本人との交渉について、次のように述べている。
「日本人が自国の経済をあれだけ成長させたことは尊敬に値するが、個人的には、彼らは非常に商売のやりにくい相手だ。まず第一に、6人、8人、多い時には12人ものグループでやってくる。話をまとめるためには全員を説得しなければならない。2、3人ならばともかく、12人全員を納得させるのは至難のわざだ」
きっと、安倍首相の側近もトランプ自伝を読んでいるだろうことは、安倍首相が昨年11月17日、当選直後のトランプ氏と会談した際、通訳の外務省職員と2人だけでトランプ氏を訪ねたことでもわかる。
今回の場合、経済・通商問題については現段階では、まだ情報が乏しく、今後ともウオッチし、随時リポートしていきたいが、安倍・トランプの1対1の会談になった場合、米ニューヨーク・タイムズ紙が漫画で風刺したように、自動車の後部座席に座ったトランプ氏が拡声器で、運転手役の安倍首相に命令をしているような場面がないとは言い切れない。安倍首相がトランプ氏以上にタフネゴシエーターぶりを発揮できるかどうかは、今後の米中関係を占ううえでも、極めて重要だといわざるを得ない。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.10.22 06:00
2024.10.05 06:00
2024.10.04 18:50
2024.10.02 06:00