加計学園文書、リーク元は内閣官房職員と特定か…前川氏、文科省内で職員から厚い尊敬
前川さんは大資産家の出身で経済的にも恵まれていたようで、事務次官のポストや天下りの退職金などを当てにするような方ではないようです。官邸からどんどん出てくる前川さんの「個人攻撃情報」に対して、週刊誌などは前川さんの「美談」を報じています。
ちなみに神澤の知り合いの記者さんも、前川さんが通っていたというバーに行ったそうですが、報道にあるような売春目的全開のお店ではなかったようです。その記者さんは、「ほかの客もそんな感じじゃないし、前川さんは100%買春していないと思うよ」と言っていました。
今回、前川さんは自分の家族を守るため、調査対象だった出会い系バーの女性たちを守るため、あえて公の場で証言したのだと思います。現在の前川さんは民間人で無職なので、「なくすものはない」と開き直っているため、安倍政権と“刺し違える”覚悟もできているようです。
一方で、菅官房長官は官僚の人事権を握っています。官邸の内閣人事局の局長は内閣官房副長官ですが、実質的には官房長官が強い影響力を持っているのです。
そのため、現職の官僚たちは官房長官の意向に従うしかないわけですが、もはや永田町内では、安倍総理をかばう菅官房長官の「女房役」も「度が過ぎている」ともっぱらの噂です。
文書の流出元は内閣官房の職員だった?
居酒屋にいた文科省職員たちによると、官邸は「文書の出どころ」を「前川さんルート」に仕立て上げたいようです。
確かに、文書は文科省内で共有されていたと思いますが、公式な文書ではないので、文科省はその存在を認めることはしない(できない)と思います。良し悪しは別として、そもそもこの程度の“働きかけ”は珍しいものではないでしょう。そのため、この文書の存在を「公式に認めろ」という野党の戦略は、時間稼ぎにしかなりません。
しかし、文科省は独自にいろいろなインテリジェンスを駆使して、流出元の個人を特定したそうです。それが、なんと「内閣官房の職員」ということなのですが、さすがに名前はごく一部の人の胸にしまわれているそうです。
どんな方法で調査したのか、とても興味深いのですが、さすがに国家機密レベルなのか、具体的なことは教えてもらえませんでした。しかし、もし本当に内閣官房の職員なのであれば、「やっぱり、獣医学部新設は官邸の指示だったのかな」と疑いたくなります。
それにしても、前川さんの個人攻撃に終始している菅官房長官や安倍首相の発言を聞いていると、「逆に、自分たちの評判を下げるのではないか」と思ってしまいます。
(文=神澤志万/国会議員秘書)