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そんな大阪都構想を発案したとされるのが、橋下氏のブレーンを務めてきた慶應義塾大学の上山信一教授だ。現在、上山教授は東京都特別顧問を務め、「東京大改革」を掲げる小池百合子都知事のブレーンとしても活躍している。
大阪で橋下氏、東京で小池都知事から厚く信任されている上山教授は、東京オリンピックや豊洲問題を担当。多忙な毎日を送っているだけに「大阪都構想にかまっている時間的な余裕はない」(都庁職員)ともいわれる。
提唱者である上山教授が大阪都構想にかかわることは難しい上、推進者でもある橋下氏も離れた。総務省内でも「最近では、話題にものぼらない」(総務省職員)というから、大阪を熱狂させた大阪都構想は、主を失ったことで完全にオワコン化したといっていいかもしれない。
それでも、維新の議員や維新側に寝返った公明党大阪市議団は大阪都構想を諦められず、再び住民投票を実施して大阪都の実現を目指している。再度の住民投票にかかる費用は約31億円とも試算されている。大阪都構想で大阪が活性化するのであれば、31億円は決して高い買い物ではないだろう。しかし、大阪都構想の経済効果には疑問がつけられている。さらには市民の関心も薄らぎつつある。
これまで大阪都構想は橋下氏のようなスタープレーヤーによって牽引されてきたが、現在の維新と公明にはそうした逸材は見当たらない。大阪都構想は消滅してしまうのか、それとも維新と公明による巻き返しはあるのだろうか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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