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小池百合子氏、都知事の公務を次々キャンセルし選挙活動…都民ファ内で密室独裁政治が蔓延

構成=長井雄一朗/ライター

――「ブラックボックス」と思われた部分について、詳しく教えてください。

音喜多 人事をはじめ、重要事項の意思決定は非公開の役員会で決められています。開かれた組織や政党をうたっているのですから、本来であれば議員総会などのオープンな場で話し合う必要があります。

 以前、都ファは自民党に対して「伏魔殿であり、意思決定がブラックボックスである」と批判していたにもかかわらず、自らがそのようになっているわけです。

 幹事長時代に、「開かれた情報公開」をうたった規約案を作成し、「大切なことは議員総会で決議する」という内容を提案しましたが、差し戻しになりました。そして、重要事項が非公開の役員会で決められ、その役員会が都議に指示を下すという体制になり、“独裁”に歯止めがかかりません。議員総会で質問しても、形式的な答えが返ってくるだけです。

 たとえば根本的な疑問なのですが、なぜ都ファの代表に2代続いて小池都知事の秘書が就任するのか。はっきりとした説明はなされていません。

「都ファがやっているのは都民への背信行為」

――以前、都ファは自民党東京都連幹事長だった内田茂氏を「ブラックボックスの象徴」と攻撃しましたが、現状について忸怩たる思いがありますか。

音喜多 あります。もともと1人の人間が強力なリーダーシップで進める政党であり、情報公開についてはやや後ろ向きですが、その代わりに「都民のみなさまに恩恵を与えます」という姿勢を打ち出していれば問題はありませんでした。政党としての姿勢には、いろいろなかたちがあってしかるべきだと思います。

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 しかし、自民党の政治姿勢を徹底的に批判し、「透明性の高い運営を行い、都民のみなさまに、都政でも都議会でも情報公開を積極的に行います」とアピールしてきたことを考えると、今の都ファが行っていることは都民に対する背信行為です。それらの問題については私も責任を感じていますし、投票していただいた方には申し訳なく思っています。

 都議選によって都ファは55人体制になり、代表も規約も変わりました。新人の場合は不適切発言があるかもしれないので、情報発信を一部制限するという対応があってもいいのかもしれませんが、私のような現職にまでほぼ100%の取材規制をするのは明らかに行き過ぎです。

――「ブロガー議員」として知られる音喜多都議の情報発信には定評がありましたが、あるときから「パンチがなくなった」との声もありました。

音喜多 ブログに関しては、掲載前に校正や校閲があるわけではありませんでした。ただし、小池都知事や都ファの方針から少しでも逸脱するような内容があれば、すぐに修正指示がありました。だから、執筆するたびに忖度しなければならなかったのです。

 結果的に、規約方針に従って決められた結果のみを伝える大本営発表のようなブログになり、読者のみなさまからも「最近、ブログに勢いがない」というお叱りを受けるなど、心苦しい日々が続きました。

 もちろん決定事項を伝えることは大事ですが、私としては議論の内容や経過も掲載したかったのです。しかし、過程についてはお伝えできないということで、忸怩たる思いがありました。

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