実はこの日、午後4時ごろには文科省がマスコミ各社に答申関係の資料を渡していたという。阿部議員は「文科省はマスコミには情報を流し、明日答申が発表されるという。私たち議員には日程すら知らせない」と実態を明らかにした。つまり、文科省は都合よく情報をコントロールしているわけだ。木村氏は、「国権の最高機関は国会、と規定した憲法はどこにいったのか」とあきれ返る。国会議員に必要な情報を与えずにメディア操作しようとする文科省の姿勢は異様だ。
反対運動と安倍首相の刑事告発運動は続く
黒川氏は、「まだ決定されたわけではない。認可しないように働きかけよう。仮に認可されたとしても終わらない。まだまだ反対運動は続く」と意気軒高だった。結果的には認可されたが、その意気は変わらない。
黒川氏と木村氏が9月26日に立ち上げた「モリカケ共同追及プロジェクト」は、総選挙期間中の10月16日、加計理事長の詐欺の幇助をしたとして安倍首相を山口地検に刑事告発した。一国の首相が「詐欺の幇助」で告発されるなど、これだけでも前代未聞だ。
続いて11月1日、菅市長に対して背任容疑、加計理事長に対する建築費水増しによる補助金詐欺容疑で、木村・黒川両氏をはじめ複数人が松山地検に告発状を提出した。
一方、森友疑獄では、佐川宣寿・国税庁長官(事件当時は財務省理財局長)に対する、醍醐聡・東京大学名誉教授のグループによる刑事告発を11月10日までに東京地検が受理したことが明らかになっている。
佐川氏が国会で虚偽証言を続け、証拠隠滅を図ったとして証拠隠滅容疑で告発していた。また、当時の財務省近畿財務局職員についても、背任容疑で告発していた。
森友学園疑獄・加計学園疑獄の解明はこれからであり、すでに客観的な証拠もかなり出ている。「知らぬ存ぜぬ」での幕引きは許されない。
なお、木村・黒川両氏による「モリカケ共同追及プロジェクト」は、告発の賛同人を募っている。
(文=林克明/ジャーナリスト)
「黒川敦彦@モリカケ共同追及プロジェクト」 - 安倍総理の刑事告発への賛同お願い –