AIがリアルに弁護士や金融マンや地方の人々の仕事を奪い始めた
構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト
――社会がデジタル化することで、逆に地方にも可能性が生まれるのではないかと思うのですが。実際に、地方の中小企業がネットを駆使して世界に市場を拡大していくこともあるようです。
中原 問題は、それがどのくらいの雇用を生むのかということです。AIによる失業を吸収できるほどの雇用は生まれてこないのではないかと思います。どんな産業を見てもそうですが、今起きていることは過去の技術革新とは違います。これまでの技術革新は製造業における技術革新であり、そのため莫大な産業集積が必要でした。
メーカーを頂点に、下請けがいて、メンテナンス業者がいて……という具合で、自動車業界がまさにそうです。しかし、AIなどの新たな技術革新によって、そのピラミッドが必要なくなってしまうのです。そのため、これからは大企業があっという間に潰れる時代がすぐにでもやってくると思いますよ。同時に、小が大をのみ込むことができる時代にもなると思います。
――ありがとうございました。
後編では、困難に直面する日本の打開策や未来への提言について、さらに中原氏の話をお伝えする。
(構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト)