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日本の金融地盤沈下の懸念も
10連休の影響をもっとも懸念しているのは金融業界だ。楽天証券経済研究所の窪田真之所長は「5月に長い空白が生まれると、日本のマーケットが縮小して東証の地盤沈下につながりかねない」と危惧する。
日本が連休中でも海外では外国株、為替、原油など各市場は通常通りに取り引きされている。海外市場で株価が急落しても東京市場では売りを出せない。月末月初めは米国で、ISM製造業景況感指数、米雇用統計などをはじめ重要指標の発表がある。4月末は1-3月期の米GDPも発表される。4月30日から5月1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催も予定されている。国内では3月決算企業は4月中に発表できなければ発表が遅れる。株主総会への準備も遅れる。
さらに、窪田所長はより根本的な問題を提起する。
「欧米では個人の事情に合わせて有給を取得している。政府の働き方改革は、欧米に倣って各企業で有給取得率を高めるのが目的だった。しかし、日本は製造業の国なので、休日を増やすのに、工場を閉めて皆で一斉に休んできた。今回の特別法もその従来の発想のままだ。国が祝日を増やして、皆で一斉に長期で休むというのは、働き方改革の主旨に合わない」
もし、安倍政権が「祝日が増えたら国民が喜ぶ(=支持率が上がる)」と思っているとしたら、頭の中が“おめでたい”人たちだといえよう。
(文=横山渉/ジャーナリスト)
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