昨日、前天皇陛下は最後の儀式である「退位礼正殿の儀」にのぞまれ天皇を退位され、本日、令和の時代を迎えた。午前には「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」「即位後朝見の儀」が行われ、新天皇が即位されたことを初めて国民にお示しになられる。
「誤解されがちですが、この2つの儀式では仰々しいことは行われず、極めてシンプルな内容で、それぞれ数分から10分ほどで終えられる予定です」(皇室に詳しい記者)
では、具体的にどのような内容なのか。
「『剣璽等承継の儀』は、宮殿のなかで一番格式の高い正殿『松の間』で行われます。よくテレビのニュース番組などで、ピカピカに光った板張りの大きな部屋でモーニング姿の新首相が天皇陛下から信任を受ける儀式の模様が流れますが、そこで使われている部屋といえば、わかりやすいかもしれません。
儀式では新天皇が侍従長より三種の神器と、天皇と日本国家の印鑑である国璽(こくじ)と御璽(ぎょじ)を受け取り、承継されます。三種の神器という言葉はよく使われますが、正式には天皇の継承権を保持される方だけが保有を許される“神物”という意味で、この儀式では三種のうちで八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と草薙の剣(くさなぎのつるぎ)のみが継承されます。ちなみに草薙の剣の実物は熱田神社に置かれているため、『形代』、いわゆる複製品が使用されます」(同)
また、「即位後朝見の儀」の内容について別の記者は語る。
「新天皇が三権の長、つまり首相、衆参両院の議長、最高裁判所長官にお会いになられ、即位後としては初めてのおことばを述べられます。そのほかにも、皇族方、閣僚や地方自治体の長なども参列しますが、前日に天皇を退位された上皇と上皇后は出席されません。この儀式で注目されるのは、新天皇が何をお話しになられるのかということと、新皇后になられた雅子さまが初めてお姿をおみせになられるということです」
注目はパレードと大嘗祭
新天皇即位に関する儀式は本日だけではなく、約1年にわたってさまざまな儀式・行事が行われる。たとえば、3日後の5月4日には一般参賀、10月22日には祝賀御列の儀、いわゆるパレードが行われ、さらに10~11月にかけて複数日にわたり、国内外から多くの代表者を集めた祝宴や晩餐会が行われる。