ビジネスジャーナル > 社会ニュース > またも神戸山口組と距離を置く組長が…
NEW

神戸山口組と距離を置く組長がまたも…移籍先はあの武闘派組織・権太会

文=山口組問題特別取材班
【この記事のキーワード】, ,
神戸山口組・井上邦雄組長
神戸山口組・井上邦雄組長

 六代目山口組分裂問題は、もはや抗争といえるような体をなしていないといえるのではないか。「やられたら、やり返す」という姿勢と切り離せないののが、ヤクザ社会での抗争というものだ。

 それが現在、特定抗争指定暴力団に指定されている六代目山口組と神戸山口組との対立関係でいえば、六代目山口組が一方的に神戸山口組、もしくは神戸山口組から離脱した組織に武力を行使している状態だ。

 「勝敗は何年も前に決まっている。今後、神戸山口組や、そこから分裂した組織が六代目に対抗できるほど、勢力を盛り返すことはないことは誰だって理解している。それでも、神戸山口組の井上邦雄組長が引退し、神戸山口組を解散させない限りは、一方的な状態なままでも、分裂問題が解消しない状態が続くことになるだろう」(業界関係者)

 やられても報復することない神戸山口組サイドに対して、「ヤクザ組織として存在意義はあるのか」と冷ややかな目を向ける業界関係者は多い。だが、そんな中でも、六代目サイドからの離脱派のある首脳陣が囁いたとされる言葉が、関係者の間で流布して、ちょっとした話題になっているという。それは「存続することに意味があり、それだけでも対抗していることに繋がる」という趣旨のもののようだ。

 そんな後ろ向きな姿勢と距離を置こうと思ったのか、最近になって離脱派から六代目山口組系組織へと復帰したといわれているのが、すでに実話誌などで封じられた、元絆會若頭補佐だった二代目柏田組・佐藤栄城組長である。ある関係者は話す。

「佐藤組長は先だっても、2017年に起きた織田絆誠会長襲撃事件で織田会長を守り、命を落とした組員の供養にも参列していた。この参列をめぐっては、井上組長と二代目宅見組入江禎組長との間で意見が異なり、このことが原因で宅見組は神戸山口組から離脱することになったのだが、それだけではない【参考記事「神戸山口組から主力団体・二代目宅見組が離脱した背景とは?」】。間接的であるとはいえ、神戸山口組と近い関係になることに対して、絆會サイドにも反発の声はあったという話だ。絆會サイドからすれば、神戸山口組の襲撃で、組員が命を落とすことになった。神戸山口組に所属していた池田組も、このことがきっかけで、のちに神戸山口組から離脱する一因になったと言われている」

神戸山口組から主力団体・二代目宅見組が離脱した背景とは?の画像1
2017年に起きた絆會会長襲撃事件現場(当時の模様)

 つまりは、織田会長襲撃事件が今日まで遺恨を残している中、佐藤組長もまた、神戸山口組と絆會が間接的でも近い関係性になることに納得いかなかったと見られているようだ。

 その佐藤組長の移籍先だが、近年、六代目山口組系組織の中でも飛ぶ鳥を落とす勢いといわれ続けている、権田会ではないかと関係者は話している。

 権田会といえば、六代目山口組の中でも保守本流といわれる三代目弘道会で若頭を務める武闘派組織、野内組で名誉職となる相談役を務めていると言われており、その勢力は現在では本拠・大阪にとどまらないといわれている組織だ。

「権太会は、大阪随一の繁華街ミナミでも一目置かれている一大勢力で、大阪では若い半グレ世代にまでその名は轟いているといわれています。ヤクザ全体が衰退しているご時世なのに、今でも組織力を拡大させ続けているのは、同組織を率いる平野権太会長の武闘派ぶりや、組員たちへの面倒見の良さなど人柄によるところが大きいとも。その名は、塀の中でも広く知れわたっています」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

神戸山口組と距離を置く組長がまたも…移籍先はあの武闘派組織・権太会の画像1
池田組の関係先にも車両が特攻する事件が勃発。その模様はすぐにSNSで拡散した(画像は編集部で加工)。

 神戸山口組の井上組長は「たとえ1人になったとしても解散しない」と周囲に宣言しているといわれているが、対する六代目山口組サイドは井上組長が引退し、神戸山口組を解散させない限りは、分裂問題が解消したとは認めないと見られている。つまりは、火種は燻り続けているのだ。

 そして、神戸山口組から分派する形で離脱したのち、再び同組織と関係性を持った池田組。その池田組と親睦を深めている絆會。さらに、神戸山口組から離脱した名門組織宅見組と、同じく俠友会。今後もそれらの勢力に対して、いつ六代目山口組サイドによる武力攻撃が起きてもおかしくない状態が続いているといえるだろう。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

神戸山口組と距離を置く組長がまたも…移籍先はあの武闘派組織・権太会のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!