昨年11月に行われた格闘技イベント「Breaking Down6」に出場し「双子のニキ」の愛称で人気を得た2人組、比嘉ケンジロー・ヨシヒロがTikTokに投稿した動画が物議を醸している。
ケンジローとヨシヒロはペルー出身の双子で、「双子のケン&ヨシ」としてTikTokに動画を投稿しており、プロフィール欄には「街の人に突然イタズラする双子です」との表記がある。
その2人の動画では、プロフィールにあるとおり街中で突然イタズラを仕掛けているのだが、1月17日に投稿された『終電ギリギリで走ってる人たちを危ないから双子で阻止してみた』と題する動画が、「イタズラでは済まされない」などと批判を浴びている。
深夜の渋谷駅前で、終電に駆け込もうとする人に対して、2人で両手を広げて邪魔をするという内容だ。ただ単に走っている人に対して数秒間、威嚇するかのように行く手を遮るだけで、その後になんらかの危害を加えたり体の自由を奪うようなことはしていないが、複数の人々に対して通行を邪魔している。
@yoshiken0308 ?第1弾?走るな危険⚠️ #双子のヨシケン #終電逃し #終電間際 #走るな危険 #ブレイキングダウン #breakingdown #おすすめ ♬ Athletic Meet “Heaven and Hell” (No Introduction) – Shinonome
動画を面白がる人もいる一方、終電へと急ぐ人を邪魔する行為に対して批判的な声も少なくない。ネット上では大きな反響を呼び、再生回数は飛躍的に伸びた。同様の動画は、たて続けに3本投稿されており、それぞれ数人の通行を阻害している。
ネット上で批判の声が殺到しているのを受けて、2人は「こんなに大事になるとは思いませんでした。今の気持ちと謝罪をTikTokに載せました」とのコメントを出したが、そこで紹介された動画は『路上喫煙してる人にピコピコハンマー!!!』とのタイトルで、道路脇に座って喫煙する人の頭をピコピコハンマーで叩いて逃げる内容だった。
@yoshiken0308 路上喫煙してる人をピコッ? #双子のヨシケン #路上喫煙 #路上喫煙ダメ絶対 #ピコピコハンマー ♬ 閃光 – [Alexandros]
これらの動画に対しては、怒りの声が出ているのみならず、違法性を問う声も挙がっている。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、次のように解説する。
「どうせ、閲覧数を稼ぐためにやっていることでしょうが、軽犯罪法1条28号により、『他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者』、要するに『歩いている人の前に立ちふさがり、他人につきまとう行為』に対しては、拘留(30日未満の収監/懲役ではない)や科料(1万円未満の金銭罰/罰金ではない)が科せられます。立派な『前科』となりますので、とっとと検挙してもらいたいですね。
また、ピコピコハンマーで頭を叩くことは『暴行罪(2年以下の懲役や30万円以下の罰金、拘留、科料)』となります。
警察もヒマじゃないのでいちいち対応できないでしょうが、こういう連中に対しては厳しく処罰しないと後が続くでしょうし、迷惑を被る人が絶えません。マスコミはここぞとはっきりと『こういう馬鹿なことはやめなしょう』と晒すべきです」(山岸弁護士)
双子のケン&ヨシにしてみれば軽いイタズラのつもりかもしれないが、いずれも犯罪行為ということだ。いくら動画で笑いを取るためとはいえ、他人に迷惑をかける行為は慎むべきだろう。
(文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)