していないならば、日本経済のためにも、どんどんデートをしてほしい。人は恋愛をすればお金を使う。デート代だけでなくプレゼント代から、ゆくゆくは結婚費用や新生活準備費用、出産・子育て費用、住宅購入費までに波及していく。恋愛を契機に、お金は社会をどんどん回るようになる。投資対効果ならぬ「恋愛対効果」で考えれば、恋愛ほど経済に及ぼす効果が大きなものはないのではないだろうか。
これは筆者の持論だが、国の経済が上向くかどうかは、その国民が恋愛をしているかどうかでわかると思う。恋愛は決して未婚の若者だけの特権ではない。既婚者であっても、パートナーへの恋愛感情を維持しているなら、それも立派な恋愛である。
最近は雑誌でも高齢者の恋愛がテーマとなった記事をよく見かけるようになり、その内容は性生活にも至るようになった。もはや恋愛を語ることは誰にとってもタブーではなく、人生をより良く生きるために不可欠のものとなった。
一回当たりの平均的なデート代は、7,000~8,000円だそうである。意外に高いと思われる人もいるかもしれないが、筆者はバブルを経験した世代でもあるので、随分少なくなったものだな、と感じた。バブル時代には一回のデートで数万円使うことはザラだったし、それだけかけなければ彼女も納得しなかったものだ。とはいえ、7,000~8,000円でもそれなりの金額である。最近ではデート代を割り勘にする若者も増えているようだが、いずれにしてもデートをすればお金が使われることには変わりはない。
例えば、日本国内で100万組がデートをしたとすれば、一回当たり80億円が消費されることになり、それが年間100日だったとすると実に8,000億円ものお金が消費される。100万組、つまり200万人は、日本国民のおよそ2%である。わずか2%の国民が恋愛に目覚めただけで年間1兆円近く消費するようになり、GDPをさらに押し上げる要因にもなる。
逆に、景気が良くなるとデートも増える、という現実もある。当たり前といえば当たり前だが、デートはお金がなければできないわけで、不景気ならばデートも控えめになるわけだ。
この景気とデートの相関関係を示した面白い話がある。
興信所の経験則によると、「景気が良くなれば不倫の調査依頼が増え、景気が悪くなれば調査依頼が減る」そうだ。不倫も景気に大きな影響を受けているのだ。
アベノミクスによって日本経済はここのところ調子が良く、景気も上向いているようだ。景気は読んで字のごとく、「気分」にも大きな影響を受ける。景気が良くなると期待すれば、人は消費活動を活発化させるからだ。財布の紐が緩むと景気が良くなり、回り回って収入も増えるという好循環を生む。アベノミクスには、「気分」による効果もあるといわれる所以がここにある。実際のデータで、「気分」の動きを見てみよう。
インターネット調査会社マクロミル社がHP上に公開している調査データ「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「景気」のグラフを眺めてみると面白いことに気づく。今年の10月以降、人々の景気に対する期待値は上昇し続けている。実際、11月になって冬のボーナス平均支給額が5年ぶりに上昇するという予測が発表され、さらに景気への期待値が高まっている。消費税増税が決まった10月以降に期待値が高まっていることを考えると、増税前に消費活動を活発化させようとしている動きかもしれない。