現在、日本では終身雇用が浸透しており、日本企業は社員を解雇にする上での法的規制が厳しく、以前より企業側からは規制緩和を求める声も多かった。政府や経済団体などは、解雇ルールを緩めて多様な働き方が実現できる制度にすれば、労働力が「成熟産業」から「成長産業」に移動し、日本の経済が活性化するとしている。
その一方で、ただでさえ非正規社員の数が増加傾向にある中で解雇規制を緩和すれば、雇用の不安定化に拍車がかかるとの指摘もあり、専門家の間でも議論が分かれている。では、この規制緩和について、世間の人々はどのように受け止めているのだろうか。そこで今回、インターネット調査最大手・マクロミルの協力の下、全国の1000人にアンケートを実施し、人々の本音を探ってみた。
■調査期間:2014年2月27日(木)~28日(金)
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:マクロミルモニタ会員 計1,000人
(20代~60代の各年代層100人ずつ)
<調査結果>
Q.あなたは「解雇規制の緩和」について反対ですか?賛成ですか?
・賛成 24.3%
・反対 48.4%
・その他 27.3%
<解説>
全体を見ると反対派が48.4%と、賛成派の24.3%を大きく上回った。賛成と答えた人が最も多かったのは、30代男性と60代男性でともに31%。ほかの年代では男女ともに20%を切る結果となっている。一方、反対と回答した年代・性別で一番多かったのは50代女性の58%で、次が60代男性の52%。定年退職前後の60代の男性は、賛成と反対で真っ二つに割れているようだ。また、20代女性では賛成・反対のどちらにもつかない「その他」に回答する人の割合が41%と飛び抜けて多かった。
(1)解雇規制の緩和に賛成(24.3%)
賛成派の意見として多かったのは、会社にとって無駄な人材を減らすことでコスト削減につながるという意見だ。特に「役に立たないのに権利ばかり主張する人を辞めさせられるから」「ろくに仕事をしていない老害はクビにして新陳代謝をよくするべき」「ただいるだけの社員は必要ない。解雇されないように努力するのがその会社員の務め」と手厳しい意見が目立った。