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●株式市場の動向次第では巨額損失の可能性も
こうしたGPIFの株式投資の比重拡大に対し、厚労省は慎重な姿勢を示している。一方、今年1月、安倍晋三首相がダボス会議で「GPIFは成長への投資に貢献する」と述べるなど官邸は積極的であり、GPIFの方針転換の中心には菅義偉・官房長官と世耕弘茂・官房副長官がいるとみられている。内閣の支持率と株価が連動しているからにほかならない。
4月16日の衆院財務金融委員会で麻生太郎・副総理兼財務相は「GPIFは6月以降に動きが出ている。そうした動きがはっきりすれば、外国人投資家が動く可能性が高くなる」と、GPIFに株式購入を促すとも受け取れる発言をして、日経平均株価は一時、420円高となったが長続きはしなかった。
今回のGPIFの方針転換を懸念する指摘もある。リーマン・ショックが起きた08年度、世界的な株式市場の低迷を受け、GPIFは運用収益がマイナスになった。リスク管理に精通する運用管理者をGPIF内に育成しなければ、運用委託先の金融機関の言いなりになってしまい、国民が巨額の損失をかぶる危険もある。さらに、巨大な資産を持つGPIFの動向が、株式相場を大きく左右する懸念もあるため、株式運用への依存拡大には、慎重な姿勢が求められている。
(文=編集部)
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