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一大公園運営企業を舞台に、あの元大物大臣と「歓楽街の影の帝王」が全面戦争?

編集部
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 これに対して7月16日、個人株主と東拓観光、ロイヤル観光はソーシャルに対して、臨時株主総会の招集を請求した。小松社長ら5人の取締役の解任と、新たに取締役6名を選任することを議題にするよう求めた。瀬川グループは臨時株主総会で一気に勝負を決める構えだ。

 それに先立つ7月9日、静岡県警生活経済課と伊東署は、ソーシャルの主要子会社サボテンパークアンドリゾーツに対する産業廃棄物処理違反容疑で、同社が運営する「伊豆ぐらんぱる公園」内事務所の家宅捜索を行った。

 公園から出た廃材、プラスチック、コンクリート、植え替えたソテツなどを隣接地の山林に大量不法投棄した疑いだ。県警は容疑が固まり次第、関係者を立件する方針だ。ソーシャルの経営の混乱に警察の動きが一枚加わり、事態はさらに複雑さを増した。

●山口氏と瀬川氏の関係とは

 ソーシャルの泥沼の歴史を振り返ってみると、「日本長期信用銀行(長銀)を食い潰した男」と呼ばれたイ・アイ・イ・インターナショナル元社長の高橋治則氏が深く関わっている。

 高橋氏は1995年、買収した東京協和信用組合、安全信用組合から背任罪で告訴され、逮捕・起訴された(二信組事件)。いったんは表舞台から姿を消すが、2002年ごろに息を吹き返した。水面下で株の仕手戦やM&A事業に乗り出し、手がけた銘柄は20社に上った。そのうちの1社がオメガプロジェクトホールディングス(以下、オメガ)で、後のソーシャルだ。

 05年7月に高橋氏が急死し、右腕だった横濱豊行氏がオメガの会長として実権を握った。09年11月、横濱氏は自身が代表を務めるユニオンホールディングスを舞台にした株価操縦事件を引き起こして逮捕起訴され、会長を退任。オメガ社の経営は大混乱に陥った。

 これにより、高橋氏のスポンサーであった大株主の瀬川氏、会長を退いたものの引き続き影響力を残したい横濱氏、主導権を発揮したい近藤宜彰社長による三つ巴の争いが始まった。

 瀬川氏は44人が死亡した01年の東京都新宿区の歌舞伎町雑居ビル火災で、ビルの実質的な経営者として有罪判決を受けたが、広島市を本拠地に風俗店を展開し、証券界では有力仕手筋として名が通るなど、表裏それぞれの世界で活躍してきた。

 そんな瀬川氏や横濱氏という海千山千を相手に、30代の近藤社長はとても太刀打ちできない。そこで助っ人に頼んだのが高橋氏の盟友、山口氏だった。山口氏は、高橋氏が失脚した二信組事件で逮捕起訴され、実刑判決を受けて服役。09年10月に仮出所したばかりだった。

 山口氏は、直接株式も持たず、役員でもないが、実質的に経営を牛耳っていると多くのメディアで報じられている。山口氏の関与する会社から不自然な借金を重ねるなど、疑惑も多く指摘されている。

 その後オメガは10年10月、ソーシャル・エコロジー・プロジェクトに社名を変更したが、山口氏が支配する経営陣と、瀬川グループの戦いは延々と続いているのである。

 果たして、臨時株主総会で勝負はつくのだろうか。今後の動向から目が離せない。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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