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体に刺青を入れていると皮膚呼吸に支障が出て、肝臓を悪くしているケースが多い。宅見氏も肝臓疾患を抱えていたため、拘留の執行停止が認められて入院した、だが、24時間マスコミの監視にあい、休養どころではない。そこで、宅見氏の顧問弁護士である田中氏は、海外の病院への入院を思いついた。そのとき相談したのが安倍事務所だった。
「『安倍先生、フランスあたりで、肝臓病治療のいい病院知りませんか』驚いたことに、安倍晋太郎は細かいことは聞かず、秘書に言っておくと快く引き受けてくれた。外務大臣を務めていた実力者だけあって、さすがに海外には顔が利く。さっそく駐仏日本大使に話をしてくれた。そうして大使みずから大物ヤクザが入院する病院を探してくれたのである」(同書より)
「日本のマフィアの親分がやって来る」と現地マスコミが大騒ぎした。宅見氏が成田空港を飛び立ち、パリのシャルル・ド・ゴール空港に到着すると、フランスの警察当局が待機していた。その場で足止めされ、日本へトンボ返りした。これが宅見氏フランス日帰り渡航の顛末だ。
暴力団の大物の病院探しに、駐仏日本大使や元外相の安倍晋太郎氏が動いたというのは驚きだが、田中氏はバブルの実相を率直に語ることができた証言者だった。死に際して、何を語ったのだろうか。そして何を語ることなく、墓場まで持って行ったのだろうか。
(文=編集部)
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