芦屋学園の内部関係者らによると、同学園には2005年度決算時点で総額103億円もの現預金、有価証券の保有資産があった。しかし、8年後の13年3月時点では、保有資産の90億円以上が不透明なかたちで喪失してしまったというのだ。
前理事長は昨年3月、「体調不良」を理由に突然辞任した。前理事長の招聘で芦屋学園中学・高校の校長を務めていた、ラグビー元日本代表としてマスコミにもよく登場する大八木淳史氏が現在は理事長を務めている。関係者が語る。
「事態を憂慮した学園の教職員たちが、不透明な学園経営について理事会に『公益通報書』を提示し、雲散霧消してしまった100億円近い保有資金の巨額喪失について説明を求めていますが、理事会側は明確な回答をしていないようです。さらに所管官庁の文部科学省も事態を察知したようで、学園に対し『経営改善計画書』の提出を求めたという話も流れています」
しかし、依然明確な経営改善の方向性は教職員側に示されていない模様で、卒業生や教職員たちは告発の動きを進めているようだ。
「さらに内部文書などによると、芦屋学園は資産喪失の状態であるにもかかわらず、学園の土地を担保に5億円の借り入れを昨年度に行っているというのです。教職員らはこれも問題視して交渉を再三求めていますが、理事会側は頑として応じず、学園内は紛糾状態に陥っています」(同)
ちなみに本件について芦屋学園へ取材を申し込んだところ、期日までに回答を得ることはできなかった。
芦屋学園が運営する芦屋大学には、臨床教育学部と経営教育学部があり、短期大学と合わせて学生数は1000人程度。高校には800~900人程度、中学には130人程度の生徒、幼稚園には140人程度の園児がそれぞれ在籍しており、合計2000人以上が通う学舎である。
放漫経営の「被害者」となるのは学生、生徒、園児たちであるのはいうまでもない。経営改善をめぐる早急な手立てが必要といえよう。
(文=編集部)