2年間、このような嫌がらせを受けていました。大和地所コミュニティライフの担当者は、日ごろから『あなたの店は、この施設にふさわしくない』と侮蔑する発言をするなど、管理会社として問題があり、訴訟を検討しているところです」
大和地所コミュニティライフは、別の地権者ともトラブルを起こしていることがわかった。ある地権者と地代をめぐって意見がまとまらず、地権者が支払われた賃料を不服として返金したところ、それ以後同社は賃料を法務局に供託して話し合いが行われていないという。
ここで危機に立つのが、くるるの上に建つ分譲マンションだ。地権者と管理会社が揉めると、大規模修繕などの重要局面で支障が出かねない。
4月より新会社となった大和地所コミュニティライフだが、資産価値を守るべき不動産管理会社としての資質が問われてくる。
並立する奇妙な商標
ちなみに、くるるという一つの施設には大和地所コミュニティライフをはじめとして、管理業務に当たる会社が複数ある。旧日綜コミュニティから一部の業務を引き継いだ日本管財、さくらコマースと深い関係を持つあおぞら信託銀行、今年2月に上場したファーストブラザーズなどである。地権者でも、その全貌を把握しきれないほど複雑である。
さらに奇妙なのが、旧日本綜合地所が再開発の成功を期して当時の地権者組織が登録した商標「クルル」(03年出願)に類似した、「くるる」(05年出願、現在の権利保有者は日本管財)を、地権者に黙って登録していたことが最近になって明らかになったという。
大和地所レジデンスに取材を申し込んだところ、「お答えすることは何もありません」と門前払いされ、管理組合の理事長を訪問するも、「取材には答えない」とにべもなく拒否された。
府中駅前のランドマークであるにもかかわらず、府中市、管理組合、大和地所レジデンスなど、重要な関係箇所が口をつぐんでいるその背景には、一体何があるのだろうか。
(文=村上力/ジャーナリスト)