住宅購入で必ず値下げを成功させる術!ためらいは不要、自発的に具体的金額を提示!
「現在は共働きだが、妻が妊娠3カ月で産後は育児休暇を取るため、その間、住宅ローンの返済余力が低下してしまう。価格が100万円安くなれば、その分、頭金を減らすことができ、出産費用や子供のミルク代にも充てられる」
このように値引きしてほしい理由や金額が具体的であればあるほど、担当営業マンも上司も「それなら仕方ない」と納得してくれる。やみくもに「100万円値引きしてほしい」と言われても、説得力には欠ける。同情や共感を得ることが必要なのだ。
売り手側にとっての値引きとは、在庫処分のための最後の切り札になる。いつまでも売れずに残っているよりは、値引きしてでも売ってしまいたいというのが分譲業者の本音だ。相手の立場と事情に配慮したうえでの値引きであれば、売り手にとっても有益となる。値引き交渉に恐縮する必要はないことを知っておいてほしい。
交渉成立後は必ず契約を締結する
そして交渉成立となった暁(あかつき)には、必ず売買契約を締結する。「もっと値引きしてくれたら、契約してもいい」というような優柔不断かつ自分勝手な態度は許されない。
考えてみてほしい。担当営業マンは上司を説得して、やっと手にした値引きの承諾だ。せっかく条件を呑んだのに、約束(=契約)を履行しない相手に憤りを感じるのは当然だ。せっかくの信頼関係を踏みにじるような行為は絶対に慎まなければならない。商談が成立した以上、契約の延期や中止は認められないと心得よう。
日本では「不動産価格がわかりにくい」と言われて久しいが、その理由として価格決定権が売り手側に偏っていることが一因と考えられる。経済合理性に基づかず、一方的な売り手の都合によって得てして販売価格が決定されている。
本来、価格決定権は売り手と買い手が等分に持つのが、あるべき姿だ。値引きという手段が価格調整の機能を果たすことで、市場原理が正常に作動し、不透明な価格形成メカニズムを適正化させる効果が期待できる。それほど、価格交渉には重要な意味があるのだ。
上述した価格交渉テクニックは、決して難しいものではない。誰でも実践可能だ。3つのテクニックをフルに活用し、理想のマイホームライフの第一歩を踏み出してほしい。
【まとめ】マイホーム値引き交渉3つのテクニック
(1)営業マンとの良好な人間関係の構築が最初の一歩
(2)買い手側から自発的に価格交渉を持ち出し、具体的な値引き希望額も買い手側が率先して提示する。
(3)交渉がまとまったら、必ず売買契約を締結する。
(文=平賀功一/e住まい探しドットコム代表、住宅コンサルタント)