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平賀功一「不動産の“核心を突く”話」

住宅購入で必ず値下げを成功させる術!ためらいは不要、自発的に具体的金額を提示!

文=平賀功一/e住まい探しドットコム代表、住宅コンサルタント

営業マンとの良好な人間関係の構築が最初の一歩

 それでは、ここから本題に入ることにしよう。まず初めのテクニックとして、当然ながら、いきなり値引きの話に入るのはご法度だ。営業マンとの良好な人間関係の構築が、価格交渉を成功に導く第一歩となる。

 というのも新築・中古を問わず、直接の商談相手となるのは住宅の営業マンだからだ。仕事とはいえ、営業マンも血の通った人間である。どうしても印象の「良い」「悪い」が販売姿勢に投影されるため、冷やかしや見下した態度で接すると、営業マンに悪い印象を与えてしまう。信頼感の喪失につながりかねないのだ。決して媚びる必要はないが、マナー違反をせず、感じよく行動することが大切だ。

 なお、どうしても相性が合わない場合、その際は遠慮なく担当営業マンを替えてもらおう。差しさわりのない理由を後付けしておけば、それで十分だ。「相性が良くないから」などと正直に説明する必要はない。

買い手側から自発的に価格交渉へ

 こうしてお互いの信頼関係が築けたら、ここからが本番。買い手側から自発的に価格交渉を切り出そう。営業マンの口から値引きの話が出てくるのを期待してはならない。先手必勝で攻めることが、値引き獲得の可能性を高める。

 これは筆者の経験談になるが、営業マンの本音として、たとえ値引き交渉に応じる考えがあっても、自ら切り出すことはしない。営業マンから譲歩案(=値引き)を提示してしまうと、その途端に主客の立場が逆転してしまうからだ。買い手優位な商談に発展してしまい、営業マンは完全に足元を見られてしまう。そのため、最後の最後まで値引きカードは温存しておきたいのだ。筆者も営業マン時代、自分から値引きの話を顧客に持ちかけた経験は一度もない。

 そして、いよいよ価格交渉のテーブルについたら、さらに値引きしてほしい金額も買い手側から提示する。ここでも交渉の主導権を買い手側が握るためだ。間髪入れず、具体的な値引き希望額を指し示そう。

 その際、値引きしてほしい金額の算出根拠を説明するよう心がけたい。というのも、値引きするかしないかを判断するのは担当営業マンではなく、その上司あるいは役員クラスだからだ。通常、稟議(りんぎ)をあげて上層部の決裁・承認を得なければならない。そのため、上司から「どうして値引き額が○○万円なのか?」と質問された際、担当営業マンが答えられないと稟議は通らない。上司を説得するための材料として、算出根拠の明示が欠かせないのだ。

 値引きを依頼する際に伝える理由としては、たとえば次のようなものだ。

平賀功一/e住まい探しドットコム代表、住宅コンサルタント

平賀功一/e住まい探しドットコム代表、住宅コンサルタント

第一不動産グループの住宅販売会社にてマンション販売のプロジェクトを任され、モデルルームの設営から広告代理店との広告やチラシの打合せ、アルバイトの管理、事業主や施工会社との交渉、販売スケジュールの作成、販売収支の管理、契約業務全般などを歴任。三井不動産販売への出向経験あり。
1999年に住宅コンサルタントとして独立し、e住まい探しドットコムを設立。日々、失敗しない住宅選びのための情報発信を続ける。1967年東京都渋谷区生まれ
・ファイナンシャルプランナー(AFP)
・宅地建物取引士
・管理業務主任者
・福祉住環境コーディネーター
・住宅ローンアドバイザー
・二種証券外務員
e住い探しドットコム

Twitter:@kouichi_HIRAGA

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