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分散投資よりも投資額の調整がリスクを抑える
では、分散投資にはリスクを低減させる効果がないのかといえば、そんなことはありません。確かに分散投資にはリスクを抑える効果があります。分散投資をすると、予想される成果は、それぞれの資産の予想される成果の平均になると考えます。利益率が6%の投資対象と4%の投資対象に半分ずつ投資したら、全体の利益率は5%になると考えられます。あくまで予想ではありますが、自然な感覚です。それに対してリスクを測る指標(標準偏差などが使われます)は、平均よりも少し(共分散という数値)だけ小さくなることがわかっています。
これが分散投資の効果です。ただ、その数値はそれほど大きいものではありません。「投資対象を分散すると、リスクが低減する」のは確かなのですが、1つが4つになったからといって、グラフではっきりわかるほどの効果はありません。
では、投資のリスクを抑えるにはどのようにすればよいかというと、株式や海外の商品などの変動する商品への投資を抑える、または投資をしなければよいのです。ただ、それだと今度は利益率も低下してしまいますので、その人の許容範囲の中で変動商品に投資をすればよいのです。要は「投資で無理をしない」という資産運用の基本を守ることです。分散投資型ファンドを購入しなくても、投資信託を購入する金額を抑えれば、リスクを抑えることができるのです。
(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)
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