マンションは竣工後の経過年数が長くなれば、どんどん資産価値が低下します。しかし、なかには高い人気から価格が下がるどころか、むしろ上がる物件もあります。資産価値の上がる物件、下がる物件、何がどう違うのでしょうか。どんな物件を購入すれば、資産価値を維持できるのでしょうか。
築21年超でマンション価格は半値以下になる現実
まずは、図表1をご覧ください。これは、東日本不動産流通機構が首都圏で流通している中古住宅成約価格の築年数別の変化を、折れ線グラフにまとめたものです。中古一戸建ては土地値で歩留まりがかかることもあって、そう極端な低下にはならないのですが、マンションは、築5年以内の築浅物件の平均が5411万円に対して、築21年~25年は2528万円と半値以下に下がっています。さらに、築26年を超えると2000万円以下になり、築浅時の価格の3分の1程度になってしまうのです。
しかし、すべてのマンションがそうであるわけではありません。都心の一等地のマンションなどは、下がるどころか、分譲時から10年が経過しても、分譲時価格を上回る価格で取引されていることが珍しくありません。
どうせマンションを買うのなら、そんな資産価値の維持、向上を期待できるような物件を手に入れたいものですが、残念ながら高くなり過ぎているため、誰でも取得できるわけではありません。
六本木駅のマンションは分譲価格から3割以上アップ
不動産に関する民間調査機関の東京カンテイの『中古マンションのリセールバリュー&賃料維持率 2017』によると、最寄り駅が東京メトロ日比谷線の六本木駅の中古マンションのリセールバリューは、132.6%です。これは10年前に分譲された価格より32.6%高い価格で中古マンションとして取引されていることを意味します。
誰もが住みたいと思う街ですから、分譲後も値下がりせず、むしろ上がるわけですが、中古マンションとしての3.3平方メートル当たりの坪単価は967.2万円です。ですから、66平方メートル、20坪の中古マンションでも2億円近い価格になってしまいます。99平方メートル、30坪なら3億円近い値段ですから、よほどの高額所得者か富裕層でなければ買えません。
では、平均的な会社員には資産価値の高いマンションは手に入らないのかといえば、決してそんなことはありません。たしかに、すでに人気が高く、価格も高くなっているエリアでマンションを手に入れるのは簡単ではありませんが、少し発想を変えてみてはどうでしょうか。まだ、さほど価格が上がっていないエリアで、将来性のありそうな物件を見つけることができれば、資産価値の向上が期待できるかもしれません。