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沖有人「不動産の“常識”を疑え」

賃貸の家賃はお金をドブに捨てるのと同じ…独身で都心マンションを購入して資産形成に成功

文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

 だが、今回の選択も間違いではなかった。筆者が主宰する無料マンション情報サイト「住まいサーフィン」【※1】の価格査定によれば、この物件は購入から3年たった現在も、買った価格を400万円上回っている。

「同じマンション内で賃貸に出されている物件もあるんですが、その賃貸価格を見ると、『買ってよかった』と思います。僕が組んだ35年ローンの月々の返済額のほうが、賃貸の家賃より少なく済んでいるんです。将来、ローンを払い終えれば管理費と修繕積立金のみで済むようになりますし。

 それと、僕は会社員なので、年末調整で住宅ローン控除分が税務署からキャッシュで戻ってくるときは、得をした気分になりますね。値下がりも心配していたんですが、今のところ残債割れにはなっていません。その分、毎月の返済を通じて資産形成ができていると思うとうれしいです」

人生を豊かにするマンション購入

 自宅を購入してみたら、構造・居住性・管理状態など、多くの点で賃貸との差を感じた。現在の自宅もタワーマンションだけに共用施設が充実しており、「親戚や友人が訪ねて来たときにはゲストルームに泊まってもらえるし、友人とパーティールームでパーティーをすることもあります。無料のフィットネスもあって、そちらは妻と2人で通っています」と楽しそうだ。

「近しい独身の友だちに、あなたなら家を買うことを勧めますか?」という質問に、「勧めます。ローンの不安はあるけど、家賃を払うことと同じだと割り切ればいい。1回ローンを組めば慣れるし、ローン控除は節税になります。家選びの基準は、僕なら第一に利便性、第二に資産性ですね」と答えてくれた。

 Kさんの自宅購入は、今回も成功だったようだ。

自宅は資産形成のツール

 Kさんに限らず、「住まいサーフィン」会員には「自宅購入は投資である」という考えを持ち、資産性のある物件を購入することで資産を形成していこうとする、意識の高い人が多い。25万人いる会員のうち、自宅査定をした人の99%が資産を増やしている。

 ここ数年のマンション価格高騰を見るにつけ、思い切って長期の住宅ローンを組んで買った人たちの多くが、「あのとき決断して本当によかった」と胸をなで下ろしている。逆に、チャンスがあったのに買わなかった人は「しまった、あのとき買っておけば」と後悔している。だが、今からでも遅くはない。

「独身でも家を買うこと」を「家活」と呼ぶことにした。就活が終わったら婚活の前に家活をしようという提案だ。これまでは多くの人が「家は所帯を持ってから買うもの」という固定観念に囚われて、「単身のうちに家を買ってしまう」という発想そのものがなかった。

沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は28万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。
住まいサーフィン研究所

『独身こそ自宅マンションを買いなさい』 自ら実践し、含み益1億円以上を得た著者が教える、数万人が純資産1兆円を増やしたメソッドを公開!「2人に1人がおひとりさま」の人生100年時代。マンション購入は早いほど得をする。 amazon_associate_logo.jpg

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