バカ高い新築マンション、新築戸建てのほうが2千万円も安い!築20年で価値3分の1に
新築時にはマンションのほうが格段に高い
新築時の価格をみると、図表2にあるように、マンションが5000万円を超えているのに対して、建売住宅は3000万円台の前半です。一戸建てが安いというよりは、このところマンション価格が高くなりすぎているという見方もできます。
この状態が続けば、やがて消費者がマンション価格の上昇についていけなくなるのは自明の理。やがて横ばいから下降局面に入るでしょう。これまでのマンション市場を振り返ってみれば、7~8年から10年程度のサイクルで上昇・下降を繰り返してきました。そろそろその潮目の変化が近いのかもしれません。
中古マンション価格も上がりすぎている
いずれにしても、マンションは先に触れたように中古になると価格が急激に低下します。新築時にはマンションのほうが圧倒的に高いのに、図表3にあるように、中古市場では一戸建てのほうがむしろ高くなっています。
ただ、このところは中古マンション価格の上昇による逆転現象もみられます。これまでの市場からすればかなり異常な状態であり、そろそろ中古マンション市場も右肩上がりにストップがかかってもいい時期かもしれません。
日本人の土地信仰、一戸建て指向は正しい?
国土交通省が行っている「平成26年度土地問題に関する国民の意識調査」によると、日本人の79.2%は、自分の住む家について、「土地・建物については、両方とも所有したい」としています。かつての90%前後に比べると若干少なくなっているとはいえ、日本人の土地信仰には根強いものがあります。
さらに、同調査から望ましい住宅形態をみると69.1%が「一戸建て」としています。「一戸建て・マンションどちらでもよい」が18.9%で、「マンション」と答えた人は10.3%にとどまります。
日本人の土地信仰や一戸建て指向には根強いものがあり、それもやはり土地付きの一戸建ての資産価値の高さからきているのではないでしょうか。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
山下和之(やました・かずゆき)
住宅ジャーナリスト。各種新聞・雑誌、ポータルサイトなどの取材・原稿制作のほか、単行本執筆、各種セミナー講師、メディア出演など多方面に活動。「山下和之のよい家選び」も好評。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(学研プラス)など。