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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

深刻な実家「空き家化」問題、便利な方法&制度がこんなにあった!円滑に売却や賃貸!

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

実家が空き家になった場合の選択肢は3つ

 
 いずれにしても、すでに持ち家があり、相続した実家が空き家になったときの選択肢は、基本的に(1)売却する、(2)賃貸に出す、(3)空き家として管理する、の3つである。
 
 これまでは実家が空き家になっても、建物を壊して更地にした場合、固定資産税が6倍になってしまうという理由から、とりあえずそのまま放置する人がほとんどだったのではないだろうか。

 ところが、昨年5月に「空き家対策特別措置法」が施行されたことで状況は一変。管理の行き届かない「特定空き家」と指定されれば、固定資産税の特例の対象から外れる上、自治体から修繕や解体の命令が下される。場合によっては強制的に解体される可能性もあるなど、もはや空き家をそのまま放置することは許されない。

 前掲の調査によると、選択の可能性がもっとも高い順に「売却する」「空き家として管理する」「賃貸に出す」となりそうだが、個々の事情により、それぞれの選択肢でメリット・デメリットが異なる。事前に慎重な検討が必要だろう。

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住む予定がなく売却を検討しているなら早めに

 人の住まない家は、あっという間に劣化が進む。将来住む予定がなく、ほかの選択肢の予定がないなら、早めに売却の準備をお勧めしたい。

 今年3月に発表された16年1月1日時点の「公示地価」は、全国平均・全用途の変動率が0.1%となり、08年のリーマンショック後8年ぶりに上昇に転じた。

 ただその内訳をみると、東京、名古屋、大阪および地方中枢都市ではおおむね上昇しているものの、その他の地方都市圏は、住宅地、商業地ともにマイナス。下落幅が縮小したといっても、都市圏を除いて地価は相変わらずの下落傾向にある。今後もこれが続くとすれば、早めに売却したほうが得策というわけだ。

4月から空き家を売却した場合の税制優遇制度が創設

 また、昨年に引き続き16年度も空き家に関する改正が行われている点も見逃せない。4月から、相続した空き家を売却した場合に一定の条件を満たすと、譲渡所得の「3,000万円の特別控除」が適用されるようになった。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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