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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

深刻な実家「空き家化」問題、便利な方法&制度がこんなにあった!円滑に売却や賃貸!

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

 従来からマイホームを売却した場合、利益(譲渡益)が出ても一定の要件を満たせば3,000万円までは課税しない「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という制度が設けられている。これを空き家の売却にも適用したのが、新設された「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」である。

 適用を受けるためには、相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったことや、相続時から譲渡時まで事業、貸付、居住の用に供されていたことがないこと、16年4月1日から19年12月31日までの譲渡であることなどの要件を満たす必要があるが、売却を検討している方は、要チェックだ。

 なお、売却に関しては、売却時期が親の生存中あるいは親の死亡後によって、課税関係等が変わる。詳しくは税務署や税理士等に確認してみよう。

空き家管理サービスを利用しながら、不動産業者選びも

 さらに空き家となった実家を少しでも有利な価格で売却する場合には、不動産業者選びも重要だ。ずっと地元を離れていてどのような業者を選べば良いのかわからない場合は、駅前などに店舗のある地元物件を多く取り扱っているような業者など、2~3社に査定を依頼し、信頼できそうな業者を選ぶと良いだろう。

 最近では、遠方で空き家になった実家の管理が難しい人のために、地元の不動産業者等が「空き家管理サービス」を行っていることもある。主にこれらのサービスは、室内の通風や換気、清掃や屋外の郵便物等の確認、庭木の剪定・草むしりなどを代行してくれるというもの。月1回3,000円~1万円程度かかるが、将来の売却時の業者選びを踏まえて、一度サービスを利用してみるのも良いだろう。

田舎の物件でも賃貸に出せる可能性も

 
 そして、ハードルが高そうな「賃貸に出す」について。

 そのまま賃貸するというわけにはいかない場合、リフォームが内装だけでも約300万円かかる。賃貸でその金額を回収するには何年かかるのか試算してみることも必要である。また、家賃滞納のトラブルや空き家・空室リスク、将来、自分が住みたくなった場合に立ち退いてくれるかも心配だ。

 そこで、移住・住みかえ支援機構(JTI)が実施する「マイホーム借上げ制度」を利用するのも一手。日本に自宅を所有する50歳以上が利用でき、首都圏に限らず地方でも活用されている。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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