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同様にギリシャの企業は、EU域内貿易比率が高いため、貿易の資金決済はユーロで行うように取引先から求められることになる。しかし、ギリシャ企業はユーロでの資金決済には困難を伴うことから、貿易ができなくなる。エネルギー資源や食料、必需品などの輸入が止まれば、国民生活は間違いなくパニック状態に陥るだろう。
つまり、ユーロからの離脱は、政府も企業も個人も坂道を転がり落ちるように、破綻の道をまっしぐらに突き進むことになる。
さらに、EUから離脱したギリシャに支援の手は差し伸べられず、EUへの再加盟もできなくなる。そんな選択をギリシャ政府の首脳陣が本当にするだろうか? むしろ、ユーロに残った上で計画的なデフォルトを実施する可能性の方が高い。
一方のユーロサイドからしても、ギリシャの離脱はユーロという通貨制度がうまく機能していないことを証明することになる。ギリシャが離脱すれば(ギリシャを離脱させれば)、第2、第3のギリシャが出てくる可能性があり、ドルと同様に世界の基軸通貨を狙っているユーロにとっては、致命傷になりかねない。
つまり、ギリシャのユーロ離脱の可能性は極めて低いということになるわけだ。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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