賞味期限、実際より2割も短く設定?卵は生で2カ月もつ?お金が貯まる人の食品ロス回避法
賞味期限と消費期限のイメージとしてわかりやすいのが、以下のグラフ。
このグラフが掲載されている農林水産省のホームページを見ると、「賞味期限を超えた場合であっても、品質が保持されていることがあります。見た目やにおいなどの五感を使って食べられるかどうか判断することも大切です」という記述があります。
「賞味期限の設定は、さまざまな試験を基に算出された『実際に日持ちする日数』に『安全係数』という数字をかけて決められます。企業によってさまざまですが、国としては加工食品のガイドラインで『0.8以上の安全係数』を推奨しています。0.8の場合、賞味期限は本来おいしく食べられる期限の8割ということになります。この安全係数は、賞味期限だけでなく消費期限に使われることもあります」(同)
たとえば、「実際に日持ちする日数」が18カ月の場合、安全係数の0.8をかけた賞味期限は約14カ月になり、本来の期限より4カ月早い期限が表示されているということになるわけです。
それを知らずに「賞味期限が過ぎたから、もう食べられない」と確認しないで捨てていたら、大切な食品はもちろん、お金も無駄にしてしまっているわけです。
そして、井出さんが教えてくれたのが「卵は生で57日間食べられる」という事実です。
「卵は、『パックしてから2週間が賞味期限』と一律に決められていますが、これは『夏場に生で』食べることが前提です。産卵してから1週間以内にパックされることが決められているので、産卵後3週間で賞味期限がきてしまうわけです。ところが、気温の低い冬場(10℃程度)なら、本来は産卵から常温で約2カ月(57日)は生で食べることができます」
冬場に卵を冷蔵庫できちんと管理していても、賞味期限が1日でも過ぎれば捨ててしまっているという方も多いのではないでしょうか。しかし、「適切に管理されていれば、賞味期限を過ぎても加熱調理すれば十分食べられます」(同)とのことです。
空腹で買い物に行くと64%も無駄遣いする危険!
「賞味期限が過ぎてしまった」などの理由で、まだ食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」問題。井出さんは、この実態について、以下のように話します。
「日本の家庭から出る食品ロスは、年間302万tにも上ります。京都市は、ごみと食品ロスを半分に減らす『ごみ半減プラン』に取り組んでおり、ピーク時から約4割に減らしてもなお、ごみ処理に261億円も使っています。食品ロスを減らせば、それだけごみ処理費が減り、その税金を教育や福祉など、もっと市民に役立つことに使えるようになると思うのですが……」
『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』 卵の賞味期限は通常、産卵日から3週間だが、実は冬場なら57日間は生食可。卵に限らず、ほとんどの食品の賞味期限は実際より2割以上短く設定されている。だが消費者の多くは期限を1日でも過ぎた食品は捨て、店では棚の奥の期限が先の商品を選ぶ。小売店も期限よりかなり前に商品を撤去。その結果、日本は、まだ食べられる食品を大量に廃棄する「食品ロス」大国となっている。しかも消費者は知らずに廃棄のコストを負担させられている。食品をめぐる、この「もったいない」構造に初めてメスを入れた衝撃の書!
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