ビットコイン、絶対NGな保存方法とは？ハッキングされる危険が激増

ビットコインはどうやって保存する？

――1月のコインチェックの流出騒動で「仮想通貨がなくなってしまった」という人が多かった印象がありますが、ビットコインはどう保存しておくのが安全ですか？

藤田　正直なところ、まだ仮想通貨の保存については認識が甘い人が多いという印象があります。

　一番危ないのは「ハッキング」です。仮想通貨が認められ始めているのは、ブロックチェーン技術による「送受信」の確実性があるからであって、あくまで「保存」に関しては個人や企業に責任があります。保存の仕方が甘いと、ハッキングの被害に遭うリスクは高くなってしまいます。

　仮想通貨の保存には、「ウォレット」というものを使います。「ウォレット」は、一般的には「財布」と訳されています。つまり、「仮想通貨用のお財布」です。ウォレットには、「ホットウォレット」と「コールドウォレット」という2つの種類があります。簡単にいえば、ホットウォレットはインターネット上にあるウォレット。コールドウォレットはインターネットに接続していないウォレットです。

　より安全なのは、コールドウォレットです。インターネットに接続していないので、ネットを介してハッキングされるという心配がないからです。コールドウォレットは、さらに2つの種類があります。ひとつは「USBウォレット」です。仮想通貨を保存する専用のUSBに保存する方法です。もうひとつは「ペーパーウォレット」です。紙にQRコードを印刷するというやり方です。

　ホットウォレットは、私なりの分け方として用途別に3つに分けて考えています。売買をするための「取引所のウォレット」。送ったり受け取ったりするための「手元のお財布としてのウォレット」。投資会社に投資するための「投資用ウォレット」。大きく分けて、この3つです。

　イメージとしては、インターネットに接続していないコールドウォレットは、安全性が高い金庫のような保存の仕方。インターネットに接続しているホットウォレットは、いつでも送金や支払いができる手元のお財布や銀行口座といったところでしょうか。普段使わないビットコインは、コールドウォレットで保存しておくと安心です。

――USBウォレットとペーパーウォレットでは、どちらのほうが使い勝手がいいですか？

藤田　使いやすさを考えるとUSBウォレットが一番いいと思います。USBウォレットは、パソコンのデータを入れるUSBメモリと同じような形をしていて、価格は1万5000円前後です。ただ、USBウォレットを購入するときには、絶対にネットオークションや知り合いからは買わないようにしましょう。

　少し技術的な話になってしまいますが、USBウォレットには「復元コード」と呼ばれるものがあります。たとえば、Aさんが自分で買ったUSBウォレットの復元コードをメモします。それを何も知らないBさんに売ったり譲ったりします。そうすると、AさんはBさんのビットコインを引き出すことができてしまうんです。

　だから、通販サイトなどは使わず、正規品をつくっている会社のサイトや店舗から正規品の新品を直接買うことをおすすめします。コインチェックの騒動でコールドウォレットの需要は高まっているので、その需要に乗っかった詐欺もありますから、十分に気をつけてほしいと思います。