年金、受給が月6万円台…自営業の人、2階建ての「手厚い終身年金」をもらう方法
国民年金基金の掛け金はiDeCoと合算して月6万8000円。上限まで利用せずにiDeCoと併用すればいいと思われるかもしれませんが、会社員の厚生年金保険料は労使折半。自営業者が国民年金基金の掛け金を上限までかけたとしても、会社員と比較すればそんなに掛け金が多額とはいえないのです。
国民年金基金に加入することで、自営業者も会社員と同じく「終身年金」を2階建てとするのです(国民年金基金には有期年金もありますが利用は終身年金が基本)。終身年金を厚くすることで長生きのリスク(人生100年時代)にも対応しやすくなるはずです。
ただし、国民年金、国民年金基金は物価の上昇に対応できない、つまりインフレリスクに弱い制度です。将来的な物価上昇には懐疑的な見方もありますが、政府と日本銀行はデフレ経済に再び戻さない政策を行っています。また、消費者物価指数は日本銀行が目標とする2%こそ達成されていませんが、2018年4月で対前年比16カ月連続プラスです。上昇率は1%に満たないとはいえ、預貯金や国債などの収益では残念ながら対応できないのです。
そこでインフレリスクをヘッジさせるために「つみたてNISA」を利用するわけです。つみたてNISAの対象商品はすべて、インフレに強いといわれる株式が含まれる株式投資信託またはETFだからです。
(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)