しかし、細かく見ていくと、デビットカードにも違いがある。利用特典として、現金でキャッシュバックしてくれるもの、現金ではなくポイントを付与してくれるもの、ATM手数料無料の優遇条件にカウントされるもの、などがあるのだ。
ポイントでの付与があるのは、楽天銀行(楽天スーパーポイント)、ジャパンネット銀行(Tポイント。ただし、ファミマTカードの場合)、セブン銀行(nanacoポイント)、住信SBIネット銀行(スマプロポイント)など。ポイントの還元率は高めで、だいたい0.5~1%。なお、住信SBIネット銀のスマプロポイントは0.6%還元だが、独自ポイントのため、そのままでは使いにくいので注意が必要だ。
現金でキャッシュバックしてくれるのは、メガバンクの三菱UFJ銀行や三井住友銀行(ポイント還元タイプもあり)。こちらは0.2~0.25%と、還元率はポイントより低めになる。ただし、ソニー銀行は0.5~最大2%と、現金で戻してくれる銀行のなかでは還元率が高い。
ポイントか、現金か。こちらも、自分のライフスタイルにはどちらが使いやすいかを考えて選ぼう。
秋にはローソン銀行も開業
銀行のサービスの変化は、そのまま金融業界が置かれている環境、そして想定される未来に即した変化でもある。フィンテック、キャッシュレス、バーチャルマネーの波が押し寄せる世界は、すぐそこまで来ている。もっとも悩ましく思っているのは当事者たちだろう。
しかし、「厳しい、厳しい」と言われながら、今年2つのネット銀行が誕生する。ひとつは、すでに開業しているGMOあおぞらネット銀行。GMOクリック証券やGMOコイン(仮想通貨)との連携など、まさに資産運用客を見込んだ位置にいる。セブン銀行ATMが利用でき、キャッシュカードはもちろんVISAデビット付き。現金キャッシュバック型で、還元率は0.6%とステージ判定に左右されないものとしてはもっとも高い。しかも、取引でPontaもたまる。
もう一行は、ローソン銀行。この秋開業で詳細はまだわからないが、ATM事業とポイントサービスがメインになるのではと思われる。ちまたでは「Amazon銀行」などの噂もささやかれるほどなので、銀行はまだまだおいしい商売ということか。
多くのプレイヤーが舞台に上がるのをながめるのはおもしろいが、優良顧客として扱ってもらうには利用者側も選択と集中が不可欠だ。今後は、「自分にとってメリットが大きい銀行をシビアに見極めていく必要がある」と心得よう。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
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