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2023.02.21 14:02
2018.10.11 00:10
さんきゅう倉田「税務調査の与太話」
税務調査でみんなが見落とす重要ルール…確定申告で収入を少なく記載→7年分も巨額追徴課税
つまり、「仮装・隠ぺいがあれば重加算税を賦課します」ということです。仮装・隠ぺいは「偽り、不正」に該当するので、重加算税を賦課されれば7年分調査できます。しかし、実務上は、不正があっても3年分で済ませたり、5年にとどめたりすることもあります。調査官は鬼ではないですし、非効率的なことはしません。納税者に速やかな修正申告を促すために妥協するのです。7年分取らない代わりに、納得して修正申告をしてもらうというわけです。
7年分遡及された場合は悲惨
ただ、7年分となったときは大変です。不正があったために7年分の調査になると、5年から7年の間に不正以外の単純な誤りがあっても否認されてしまいます。本来、不正がなければ遡及されなかった誤りの分も納税しなければいけません。
「偽り、その他不正の行為」には、単純に少ない収入金額を記載することも含まれます。事業を行っていて、収入を少なくする場合は、売上に関する書類を破棄し、それに対応する経費関連の書類も破棄するような方法が一般的ですが、以前、給与所得者が源泉徴収票の金額より少ない金額を確定申告書に記入するという珍しい事例がありました。それは外国人で、「先輩から、この方法で税金が還付になる」と教えられ、毎年不正を行っていました。「脱税したい」といった気持ちはなかったそうですが、立派な不正です。
明らかな不正行為でも「遡及するのはおかしい」と叫ぶ人もいます。売上の一部を除外し、そのお金を公表していない預金口座、いわゆる「簿外の口座」に貯めていたところ、重加算税を賦課され、7年遡及された例もあります。「売上除外」は不正行為の王道です。見逃されることはありません。
みなさん、調査の前にはさまざまな準備をされると思います。不正が認められれば、本来は追徴されない金額まで納める羽目になるかもしれません。どんなときも正しく、きれいに納税することをお勧めします。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)
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