NISA、12月で非課税期間が終了…知っておかないとマズい注意点とは?
(2)特定口座等の課税口座に移管する
(2)の場合、18年12月の最終営業日の時価により、課税口座へ移管されます。このケースでは、特定口座を一般NISA口座と同一の金融機関の同一の支店に保有している人は、特段の手続きを行うことなく、特定口座に移管されることになります。課税口座に移管された場合、取得価格は一般NISA口座で購入した価格から、18年12月の最終営業日(12月28日)の時価に取得価格が変更になる点には注意が必要です。
いくつか具体例をあげて解説すると、たとえば一般NISA口座において100万円で購入した上場株式を、150万円に値上がりしている局面で課税口座に移管したケースを考えてみましょう。このケースでは、その後に株価が200万円に上昇した時点で売却した場合、50万円が譲渡益とみなされ税金が課せられることになり、反対に120万円に値下がりした時点で売却した場合、30万円が譲渡損失となります。
一方、一般NISA口座において100万円で購入した上場株式を、80万円に値下がりしている局面で課税口座に移管した場合も見ておこう。その後に株価が上昇して100万円に戻った時点で売却した場合、20万円が譲渡益とみなされ税金が課せられることになり、反対に50万円に値下がりした時に売却した場合は、30万円が譲渡損失になります。移管後の価格の推移がどうなるのかは事前にわかりませんが、投資商品の状況等を確認したうえでロールオーバーを行うか、課税口座へ移管するのかを決めましょう。
なお、以下の図版では運用益マイナスから「課税口座」に移すことができないように見えますが、理論上、メリットがまったくない課税口座へ移す投資家はいないと思われるため、課税口座への選択は記載していません。
(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)