インフルエンザ大流行の今、死のリスクを懸けて会社に行く必要はあるのか?再考・働き方改革
インフルエンザの季節がやってきた。今年は例年にも増して大流行しているようだ。インフルエンザの症状は風邪に似ているが、それよりもはるかに重篤化し、死に至ることも珍しくない。さらに困ったことに、感染力が強いため、集団感染のリスクも高い。今年も長野県内の病院で50人超の方が集団感染し、80代の方が2名亡くなっている。
そうまでして会社に行く意味はあるのか
できることなら、この季節は人の集まるところにはなるべく行かないようにするのが一番だが、社会人にとってはなかなかそうも言っていられない。
多くの人はそう思っているだろう。だが、果たして本当にそうだろうか。
インフルエンザは感染症である。法律上もれっきとした伝染病だ。それが蔓延している時期に、多くの人が存在する会社に行くのも、不特定多数の人と異常なまでに接近しなければならない満員電車に乗るのも、この上なくリスクの高い行為だ。先日、日比谷線中目黒駅でホームから転落して電車にひかれて亡くなられた方がいらしたが、報道によれば、インフルエンザでふらついて転落した可能性があるという。なんとも痛ましい事故だ。
会社とは、そんな命懸けのリスクを取ってまで行かなければならない所なのだろうか。これを機に、今一度、会社に行くことの意味を考えてみるべきだ。
先日、ある企業が、インフルエンザに対する予防の観点から、全面的な在宅勤務を認めたという話を聞いた。在宅勤務に関しては、いわゆる働き方改革の観点からも検討する企業は少なくないが、実際に在宅勤務を認める企業はそう多くはない。理由は、顔を付き合わせていないと何かと仕事がしづらいだとか、部下の勤務評価管理が難しいとかいう理由が多い。したがって、在宅勤務を認める企業でも全面的に認める企業は少なく、一定の出勤を義務付けている企業がほとんどだ。
しかし、先の企業では、インタビューされた従業員の全員が「特に不便は感じていない」と答えている。ネットがあれば、資料の共有も遠隔での会議も可能だからだ。
仕事とは会社に行くことではない
あらためて考えてみると、あなたがやっている「仕事」のなかで、会社に行かなければ絶対にできない仕事は、それほどないのではないだろうか。これは業種や職種にもよるので一概には言えないだろうが、デスクワーク中心のホワイトカラーに限って言えば、かなりの仕事は会社という場でなくても十分可能になっていると思われる。