子どものおねだりは「プレゼン」で説明させろ…マネーリテラシーの高め方
「経営会議」でお金の動きを見せる
続いては「経営会議」だ。家庭をひとつの企業体として捉えれば、経営は全員参加が基本。普段からお金に関心を持ち、そして経営に携わっているという感覚を身につけるためには、定期的に「家族の経営会議」を開くことが大事だ。
では、「経営会議」で大事なことは何か。菅井さんは、1カ月分の家計を「現金で見せる」ことを提案する。
最初の経営会議を開くときに必要な準備は2つ。
1.家計の実態を把握すること
2.1カ月分の収入を現金で用意すること
大人も子どもも、家計簿をつけていないと「家計」の動きは見えない。家賃や光熱費、食費、携帯電話などの通信料など、パッと答えられないものは多いのではないか。これは、家計の実態を把握する上でまたとない機会となる。また、子どもに対して、自分にかかっている学費や給食費、お稽古事などのお金を具体的に見せるようにすることも大事だ。
もうひとつの準備である「1カ月分の収入を現金で用意する」は、キャッシュレスで生活できる現代だからこそ、自分たちの生活にどれだけのお金がかかっているのかを自覚するために必要だと菅井さんは説く。
「1カ月にこれだけのお金が使われているのか」と家族で認識すれば、お金に対する価値観が変わったり危機感を覚えたりする家庭も出てくるはずだ。
経営会議には家計のリアリティがそのまま映し出される。そのため、家庭の経営者としての当事者意識を持つことができ、さらにリアルな感覚を持って、家計の数字から将来の大きなビジョンを見ることができるようになるのだ。
欲しいものは「プレゼン」させろ
「友達の○○君があれ持っているから僕も欲しい」と子どもがねだってきたらどうするだろうか? こんなとき、資産家たちは「よそはよそ。うちはうち」と突っぱねるという。確かに、親がいつも子どものおねだりを聞いていると、子どもからいつまでもただいるだけでお金がもらえるという「サラリーマン感覚」は抜けない。
ただ、もちろん突っぱねるだけでは終わらない。欲しいものを「経営会議」で議題に挙げてプレゼンをさせるのだ。子どもにとって自分のお金では買えない高額なもの。それはなぜ欲しいのか、なぜ必要なのか、そして、それを手に入れることで自分にも家族にもどんな良いことがあるのかを説明してもらう。
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