消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
3COINSの経営元であるパルグループはファミリー向けや紳士用のブランドも擁しており、たとえば子ども向け、ビジネスパーソン向けにシフトした新展開などもやれなくはないだろう。しかし、店頭でちょっと興味深い女性客の会話が耳に飛び込んできた。
「この前、この商品いいなと思ったんだけど、そのときは悩んで買わなかった。でも、うちに帰ってからメルカリで探したら出ていたので、そっちで買った」と話していたのだ。
300円とは悩まずに買えるギリギリの金額、という説がある。100円なら、それこそほとんど悩まずに気軽に買えるだろう。しかし、300円でも悩む客はやはりいる。デザインなど趣味性に左右されるものなら、なおのことだ。また、100円ショップと違い、どの街にも必ずあるというわけでもない。100円ショップのトップブランド・ダイソーは国内に約3200店舗あるが、それに対し、3COINSは190店舗ほど。買いそびれたものを求めて、わざわざ交通費をかけてまで再び来店するよりはメルカリで探すというのも納得できる。
300円ショップの商品はインスタグラムなどSNSにもアップされ、人気を集めているという。しかし、SNSで商品を見た直後にメルカリで検索、という試練にさらされてもいるのだ。100円ショップはデフレの申し子だが、300円ショップはSNSの申し子であり、リアル客以上にネット空間でも気を配らなくてはいけない。ちなみに筆者は、電車賃を払って、あの1000円のポップアップテントを買いに行こうか迷っているところだ。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
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