年収1000万も資産は…「高収入貧乏」になる理由とは
多くの人が収入の目標に定め、ビジネスパーソンにとって一つのステータスとなっているのが「年収1000万」だ。
しかし、収入は手元に残って初めて意味がある。実際に年収1000万円を稼ぐ人の中には、思うように手元にお金が残らなかったり、資産を築けていない人も多いという現実を指摘しているのがファイナンシャルプランナーの永田智睦さんの著書『脱・高収入貧乏』だ。
では、なぜ人より多くのお金を稼いでいても、資産構築となると思うようにいかないのか。『「収入はいいけど資産がない」高収入貧乏から抜け出すマネーリテラシー』と題したこの連載ではその原因と対処法に迫る(全4回)。
日本人のマネーリテラシーは低い
年収1000万円は、日本ではまちがいなく高所得者ということになる。国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、年間給与が1000万円を超える人は全体の約4%、厚生労働省の「2021年 国民基礎生活調査の概況」によると、年収1000万円を超える世帯は全体の12.7%となっている。
一方で、高所得にもかかわらず金融資産をほとんど持たない人も少なくない。令和3年に行われた金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」〔二人以上世帯調査〕によると、年収1000万円~1200万円の二人以上世帯の金融資産額は資産2000万円未満が約59.2%、1000万円未満が35.4%となっている。そして資産が200万円以下の割合も一割程度いるのである。
現実に金融資産をほとんど持たない高所得者が少なからず存在するのは、やはり日本人のマネーリテラシーに問題があると言わざるを得ません。(P15より)
本書ではこのように、日本人のマネーリテラシーの低さが「稼いでも資産ができない」原因の一つだと指摘している。金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査(2022年)」の結果を見ても、日本はOECDの調査参加国26か国の平均値を下回っている。
日本ではお金を銀行に預けておくだけで利子がつき、資産が増える時代が長く続いた。そのため自ら動いて資産を増やすことへの関心が育ちにくかったこと。ハードワーカーが多く長時間労働で家計をやりくりするケースが多いこと。これまで学校で金融教育をしてこなかったことなどが原因となり、時代が変わったにも関わらず、日本人のマネーリテラシーは低いまま。これは収入の多い少ないに関係なく日本人全体に言える性質である。だからこそ、収入はいいのに資産として残らない「高収入貧乏」が生まれるのだ。
では、日本人に、特に高所得者層に必要なマネーリテラシーとはどのようなものなのか。本書では家計管理から資産運用までありとあらゆる観点からしっておくべきことややるべきことを解説していく。
第二回では、高収入だからこそ実践したい家計管理の基礎について紹介する。
※本記事はPR記事です。