(2)楽天銀行
ネット通販大手の楽天が旧イーバンク銀行を買収して誕生した楽天銀行のスマホアプリは、振込と残高照会のみが可能。わかりやすいが少しシンプルすぎる印象で、定期預金の照会や手続きがアプリからは一切できない点は少々不便に感じてしまう。筆者もスマホで行う操作は振込と残高照会が圧倒的に多いが、他の手続きがしたい時や口座開設がしたい時などにパソコンを開かねばならず、そもそもどうすれば必要な手続きができるのかから調べなくてはいけない場合もあり、面倒を感じることが多い。シンプルでわかりやすいというメリットも捨てがたいが、もう少し機能の拡充が求められるところである。
ちなみに、名前とメールアドレスだけで相手に送金ができる「メルマネ」の申込や、同行で取り扱っている「toto BIG」の購入も行うことができ、口座開設はパソコン向けウェブサイトからのみ可能で、本人確認書類の送付をアプリから行うことができる。
(3)住信SBIネット銀行
個人向けローンや投資商品を幅広く扱っている住信SBIネット銀行は、残高照会・振込、外貨預金、FX、取引所FXと、目的に合わせて4種類のアプリを提供しており、ユーザーは目的に応じて必要なアプリを使用することになる。口座開設はアプリからは一切できない仕組みで、すでに口座を開設している人向けに提供している。
機能別に分かれているのは一見すると使いやすいかもしれないが、円も外貨も貯蓄目的で利用しているような人にとっては少し不便かもしれない。外貨普通預金やFXなどのポートフォリオやチャートのデザイン・つくり込みは投資商品を幅広く扱っている同行ならではの特徴といえるが、投資に関心のない人には縁遠い機能であることは確か。利用者のターゲットを強く意識したサービス提供の仕方だと言えるのではないだろうか。
●目的に合ったネット銀行選びを
以上、3行のスマホ向けサービスを比較してみると、3社ともサービスの提供方法やできることの範囲に大きな差があることがわかる。スマホアプリでの使い勝手でみると、じぶん銀行が一歩リードしているように思えるが、今後ネット銀行に口座開設を検討している人は、金利や信頼性だけでなく、日常生活の中での使いやすさという点も意識して、利用する銀行を選んでみてはいかがだろうか。
(文=ライトフォーワン)