どの銀行でも、お金を預けておけば利子がつく。しかし、この低金利の時代、その金額が微々たるものでしかないのはご承知のとおりだ。
メガバンクでの普通預金の金利は0.02%。100万円を1年間預けていても200円にしかならず、そこから税金を引かれるため、実際に手にできる利子は160円だけだ。定期預金も似たような状況で、みずほ銀行の1年ものの定期は0.025%。これはみずほ銀行が際立って低い金利をつけているわけではなく、大手銀行はだいたい横並びである。
だったら、どこに預けておいても同じかというと、そうではない。ネット銀行や地方銀行の中には、大手銀行とは比べものにならないほどの金利をつけているケースがたくさんあるのだ。
【ネット銀行の1年定期の金利】
オリックス銀行…0.27%
大和ネクスト銀行…0.22%
ジャパンネット銀行…0.10%
楽天銀行…0.20%
【地方銀行の1年定期の金利】
ネットきらやかさくらんぼ支店…0.375%
トマト銀行ももたろう支店…0.40%
香川銀行セルフうどん支店…0.30% (2013年12月現在)
ここに挙げたものはほんの一例だが、ネット銀行なら大手銀行の10倍、地方銀行なら20倍の金利がつくこともあるわけだ。
●各種の手数料でも得をするネット銀行のサービス
しかも、有利なのは金利だけではない。ネット銀行などでは振込手数料についても優遇されているのだ。通常、ATMを使っても3万円以上を他銀行へ振り込む際には、420円の手数料がかかる。ネットショッピングや家賃の支払いなど、振込の回数が多い人は手数料だけでもバカにならない。
ところがネット銀行だと、都市銀行に比べて振込手数料が安い場合が多いのだ。いくつか例を挙げてみよう。
住信SBIネット銀行 月3回まで無料、4回目からは150円
新生銀行 月1回まで無料(ただし条件を満たせば10回まで無料)
ソニー銀行 月1回まで0円(翌月キャッシュバック)、月2回目以降210円
このような状況だ。
また大手銀行は、自分の口座からでも営業時間外にATMを使ってお金を引き出すときには、時間外手数料を取られる。何回か時間外に利用すると、手数料のほうが利子を上回ってしまうことも珍しくない。しかし、ネット銀行の中には、コンビニATMを利用すれば営業時間外の入出金の手数料がかからないところもあるのだ。
大手銀行は、金利が低い、振込手数料が高い、時間外手数料を取られる……と、預けておくだけで減っていくような印象すら受ける。
つい大手銀行を選んでしまいがちだが、ネット銀行などとも併せて賢く利用してみてはいかがだろうか。
(文=長尾義弘/フィナンシャル・プランナー)