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最初に日本国債にノーを突きつけたのは、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)。11年1月27日、日本国債の格付けを21段階中、上から3番目の「AA」から、「AA-(ダブルAマイナス)」に1段階引き下げた。日本国債を格下げするのは、02年4月以来8年9カ月ぶりのことだった。「AA-」は中国と同じ水準で、この時点で今、話題のスペインより1段階下になった。S&Pは欧州債務危機絡みでスペインの国債を11年10月、今年1月、4月と立て続けに3回、格下げしており、現在は「BBB+(トリプルBプラス)」となっている。
続いて米格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11年8月24日、日本国債の格付けを「Aa2」から「Aa3」に1段階引き下げた。日本国債の格下げは9年3カ月ぶり。「Aa3」は21段階の格付けのうち上から4番目で、中国、チリと同じ。格付け会社で東日本大震災後に日本国債を格下げしたのはムーディーズが初めてだ。
東京市場では円が売られ、日本国債の売り圧力は高まった。日銀株(出資証券)もツレ安。S&Pによる格下げ直前の5万4000円(1月18日)から、年末には3万6050円(12月27日)へと33%強下落した。
欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスは今年5月22日、日本国債の格付けを「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げた。フィッチによる日本国債の格下げは、およそ9年半ぶりのこと。スロバキア、エストニアと同水準になった。
日本国債の格下げに伴い、フィッチは7月20日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGの3大金融グループ傘下の銀行と三井住友信託銀行の格付けを「A」から「Aマイナス」に1段階引き下げた。邦銀は巨額の日本国債を保有しているため、国債格下げに伴って銀行の信用力も低下したと判断した。
日銀株(出資証券)が売られて、価格が下落している理由も同じ。日本国債を大量に保有しているからである。12年3月末時点の日銀の国債の保有高は87兆円。総資産139兆円の6割以上だ。日本国債が下落すれば、日銀のバランスシートが毀損するのは明らかだ。
日銀株が売られ、メガバンク株が売られている。これは株式市場が日本国債の暴落を織り込み始めたということを意味する。
日本国債、暴落の足音が聞こえてくる。
(文=編集部)
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